過去ログ - ほむら「あなたは何?」 ステイル「見滝原中学の二年生、ステイル=マグヌスだよ」
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829:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/08/28(日) 01:21:58.74 ID:Opl+aDL4o

 叩き込まれた炎剣は、エントロピーの法則にしたがってその熱量と衝撃波を周辺に撒き散らした。
 その結果、魔女の身体を覆っていた鎧の残りカスや鱗を根こそぎ吹き飛ばした。
 そして、魔女の真の姿が露になる。

ステイル(こんな……ものだとは……!)

 一瞬が数秒、数十秒、下手したら数分にも感じられるほどに引き伸ばされる。
 それだけ魔女の姿は衝撃的だった。

ステイル(惨い……!)

 纏っていた物を脱ぎ捨てた魔女は、そもそも肉体と呼べるような代物を持ち合わせていなかった。
 その身体は腐り果てた人の身のように半ば液状化しつつあり、身体の一部であったものがとめどなく流れ出ている。
 本来眼球が位置しているであろう場所に目はなく、こぽこぽと音を立てて眼球が生成されては零れ落ちて四散していた。
 一言で表すならば、腐った人魚。
 希望を夢見た魔法少女の末路にしては、余りに救われない。

ステイル(いや、それよりも問題は……!)

 X字が刻まれた、グリーフシードが位置している場所から溢れ出る恐ろしいほどの穢れ。
 それは離れた場所にいるはずのステイルですら精神を汚染され、酷い頭痛を覚えるほどの物だった。
 それこそ魔導書の原典を読むに等しいレベルの汚染だ。いかにあの杖と言えど、恭介の身体が持たない。

 そう考えたステイルは、しかし見てしまった。
 押し寄せる呪いをものともせず、見るもおぞましい魔女を恐れもせず。
 杖を盾のようにして、魔女の下へ飛び降りる少年の姿を。



恭介「さやかああああぁぁぁぁああぁぁッ!!!」



 あのゲル状の魔女を、躊躇うことなくさやかと呼べるとは。
 なんてこった、本物のバカか、いやヒーローか。
 小刻みに時間を停止して近づいたのだろう、自分を拾い上げようとするほむらを見上げながら、彼は微笑んだ。
 この分なら上手く行く。何も心配は要らない。そう口に出そうとして――



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