過去ログ - ほむら「あなたは何?」 ステイル「見滝原中学の二年生、ステイル=マグヌスだよ」
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975:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2011/09/13(火) 01:07:54.35 ID:OmW/nac8o

――今すぐに何かあるわけがない。
 そんな希望的観測に満ちた神裂の考えは、最悪の形で裏切られることになる。

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 同時刻。まだ太陽の恩恵を受けられる朝時のイギリス。その領海内にて、突発的な波が発生した。
 海面を掻き分けるようにして、直径二百メートルの石で構成された円盤が姿を現したのだ。
 その円盤の名は、≪カブン=コンパス≫。
 イギリス清教の清教派が所有する、『人間の魔女』のための移動要塞である。
 上面に描かれたいくつものラインから太陽の力を借りて、魔女と魔術師の調整を受けて、本来想定された速度をぶっちぎり。
 それは海水を押し退けながら、ただひたすらに突き進む。

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 同時刻。ドーバー海峡の海底を這うようにして蠢いていた何かが、突如気泡を大量に発生させて大きく震えた。
 操られてるかのように規則的に動く気泡と海流に乗って、潜水艦のような構造物が海を泳ぎ始める。
 その構造物の名は、≪セルキー=アクアリウム≫。
 イギリス清教の清教派が所有する、国の防衛を担う魔術師のための要塞だ。
 突然動き始めたセルキー1を見習うかのごとく、さらに何隻かのセルキー=アクアリウムが同じように転進した。
 それらは魔術師と海流と、要塞が持つ力を用いて本来の任務である国境の防衛を放棄して、海の中を走る。

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 そういったいくつもの移動要塞に下された指令は、とても単純な物だ。
『平和を脅かす可能性のある少女と、その街を滅ぼせ』
 これだけである。

 自由が尊重されるイギリス清教、その清教派が、たかが可能性のために動いているのだ。
 無論、あの最大主教がそれだけのためにこうも戦力を動かすことに、少なからず疑念を抱いた者も確かにいた。
 いたが、疑念を抱く者は皆一線で活躍する上位の魔女や魔術師のみ。
 そしてそういった者達は、既に『化物の魔女』の恐ろしさをその肌身で実感している。
 ゆえに、信じざるをえない。従わざるをえない。
 最大主教、というよりは、ローラに依存している清教派の人間は表立って反発する術を一切持たなかった。



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