過去ログ - 唯「私は、誰と恋をする?」 【百合シミュレーションSS】 Part3
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◆duJq3nZ.QQ
[saga]
2011/08/13(土) 02:52:54.39 ID:M5t55xR+0
口を尖らせて反論しようとした律だが、唯の真剣な目に息を飲む。
唯は律としっかりと目を合わせながら、少しでも気持ちが伝わるように、一文字一文字心をこめて言葉を紡ぐ。
唯「……いっつもりっちゃんといるのに、迷惑かけてばっかりなのに、何一つ話さなくてごめんね」
さわ子の考察を思い出しながら言う。
唯「……ずっと、りっちゃんとの時間を大切にできてなくて、ごめんね」
澪の励ましを思い浮かべながら言う。
唯「……りっちゃんは自分が部長だからって……人一倍、皆のことを分かろうとしてくれているのに……私、そういうりっちゃんの頑張りに気付けなかったよ……りっちゃんを、部長として頼りにできていなくて、ごめんね」
おばさんの話を頭に巡らせながら、言った。
唯は思いを口にしながら、ようやく全ての鍵が一本の線で結ばれたような気がした。
律を蔑ろにしていたわけではない。
けれど、律と本気で向かい合うことは、さほどなかった。
唯は、そのことを強く実感した。
律は唯から視線を外し、じっと考え込むようにして沈黙を貫いていた。
唯はそれにくじけないよう、姿勢を正し、改めて口を開く。
唯「……ごめんね、りっちゃん……私、その、りっちゃんがこんなに私のことを考えてくれているだなんて、思わなかったから……」
唯は、指先をもじもじとさせながら呟くように話す。
自惚れでも的外れでも、しっかりと言葉にしたかった。
唯「ごめんね、ごめんね、りっちゃん……それしかいえないけど……謝ることしかできないけどっ……」
唯の目元に、じんわりと涙がにじむ。
唯「でもね、私、りっちゃんとこのままはいやだよ……]
唯は、ずずっと鼻をすすり、拳を握りしめて、力のこもった声を出す。
唯「謝る以外に、どうすればいいか分からないけどっ、でもっ、私っ、がんばるから……りっちゃんを不安にさせないように、心配かけないようにがんばるからっ……だから……りっちゃんと、元通りになりたいよおっ!」
気持ちの丈をぶつけると、また律の沈黙が続いた。
静寂の中に、唯のしゃくりあげる音だけが響いた。
想いを伝えたのだから、後悔はしない。
それでも、ぴくりともしない律の気配に、唯は心が灰色に覆われて行くのを感じた。
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