過去ログ - 魔王「お前を待っていた」
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55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府)[saga]
2011/07/28(木) 12:30:58.38 ID:0bTRCMGX0

神「私が事の重大さに気付いたときには、十数個の世界が崩壊していた」

神「理解できなかったのだ。魔王はとても純粋で、純真だった」

神「戦闘行為……いや魔王的衝動とでも言おうか。あれの正体はそれそのものだったのだ」

神「それ以外になんの混じり気もなく、完膚無きまでに――奴は『魔王』だった」

*「……おい、ちょっと待て。『十数個の世界』……だと?」

*「魔王は俺のいた世界を支配していたんじゃないのか」


神「鋭いね。あれはその世界の魔王を殺害し――君臨する。力尽くで位相の境界を抜けて、な」

*「なんで、そんな事を……」



神「待っているのさ――勇者を」

*「!!」

神「理由は訊いてくれるなよ、あれは『魔王』だ。それ以外の何者でもなく、それだけでしかない存在だ」

神「だから勇者を求める。そこに理由はいらない。本能のような物だと思ってくれていい」

神「ひとつの世界の魔王、またはそれに値するものを滅ぼし、現れる勇者を倒した上で、その世界を消す。その繰り返し」

*「そんな……そんなの、無茶苦茶じゃねぇか」

神「自らと相対する絶対の勇者的存在を求めて、延々と、永遠と、永劫と……」

神「――まさに今、この時も」




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