過去ログ - ロケット団のしたっぱ「レッドさん……弟子にしてください!」
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35: ◆QEUQfdPtTM[sage saga]
2011/07/28(木) 22:26:47.06 ID:57e4+VsE0

 始めて仇敵と顔を突き合わせたのは、ヤドンの井戸でのことだった。
 ナツメを始め、アポロ、アテナ、ラムダ、ランスら主立った幹部メンバーが集合している輪の中に、彼はいた。

 レッド。帽子を目深に被り、隣のナツメと一言二言会話を交わす彼の横顔は、私が言伝に聞いていた者とは少し異なっていた。
 私とそう変わらない年のハズなのに、どこか老成していて、近寄る物全てを無差別に傷つけてしまいそうな危うい雰囲気を身に纏うその青年。
 仇敵である。恨みもある。だけど、先に興味が立つのは何故なのだろうか。
 同い年なのに、私とは別の次元に、世界に存在しているように感じるから? 
 遠巻きに幹部の輪を見つめる私の視線は――しかし、レッド唯一人に注がれているのだった。


「……少し、良いかしら」

 幹部連中の会議が終わり、それぞれの持ち場へ着くために皆が移動を開始した頃。
 その短い時間を使って、私はレッドへのコンタクトを試みていた。
 私の言葉に視線を返した彼の視線は鋭くて、若干の気後れを覚えてしまう。
 これがチャンピオンの……いや、サカキ様を下した者の本質なのかと薄ら寒くなる体に渇を入れながら、私は彼の本意を問いただすため、震える声でこう問うた。

「何が……目的なの?」
「……ただ、強くなりたいだけだ」

 強く、なりたい?
 その言葉の意味を噛みしめる内に、いつの間にかレッドの姿は消えていた。

 後に残されたのは、一人放置された哀れなしたっぱ。
 よもや煙に巻いたのか、あの男は。


 私は憤った。しかし、それでもやはり、レッドに対する興味は尽きないままに日々を過ごすことになるのだった。


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