2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)
2011/07/28(木) 23:14:56.99 ID:cERe2Nkx0
その道は、柔らかな照明が溢れている。暖色で纏められたマットや壁紙には、きっと心をこめて選んだのであろうと思わざるを得ないような、愛情や慕情が感じられた。それはいささか過剰にも思えたが、まあ悪くは無い。
その”愛情”に向け、一方通行はぶっきらぼうに呼びかける。
「帰ったぞ」
「あ、お帰りなさい!ってミサカはミサカは力いっぱい自分の存在を証明したり!」
声を上げたのは小さい少女だった。ばたばたばた、とやかましい音を立て、キッチンと玄関とを隔てる扉を開け、満面の笑顔を浮かべてこちらへと走ってくる。頭には三角巾が装着されていた。
このままこちらへと飛び込んでくることを前もって察知した一方通行は、右足を少し後ろへと移動させ、衝撃に備える。
どすん、と鈍い衝撃が腹部に伝わる。
「・・・だからいちいち突っ込ンでくんじゃねェっつってンだろォが!」
いつものように、小さなその少女の脳天に、三角巾越しとはいえ容赦の無いチョップを食らわす。「はぎゃ!」と可愛い声を上げ、少女は涙目で訴える。
「暴力反対!!」
一方通行はそれをほほえましく思っていることは内緒で、ぶっきらぼうに杖をいつもの場所へ立てかけた。
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