29:カロリーメェト ◆9OFSweNwT6
2011/07/30(土) 02:15:38.76 ID:cdJkpsgg0
部屋の中は、しん、と静まり返っている。
打ち止めは、この空間が、時間帯が、嫌いではない。ここは、このときは、もっとも安寧と平穏を感受できる場所であり、時だった。それが何故なのかは上手く説明できないのだが、彼女はつい最近そのことに気づいた。気づいただけで、そのままだ。
逆に、何故そんなことを考えなければならないのか。
この世界にある理由の99%は下らないものだし、これもその一つに違いない。
理由など有ろうが無かろうが、打ち止めはすべてが動きを止めたこの空間が、すべてが生気を失ったこの時間帯が好きだった。そのことが、悪いことであるはずもない。
打ち止めは、その空間に足を踏み出す。
自分が動くことで、それらは皆去っていく。動かないはずも物が逃げ、死んでいるはずの物が生き返り、彼女の好きなその場所を乱していく。そうまでしても、歩く。
そこには、底知れない欲望があった。
その欲望もまた、彼女が好むものだった。
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