過去ログ - 「誰でも一度はヒーローになりたがるよな」
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11:(1+1=1)=発明王[saga]
2011/07/29(金) 14:41:56.21 ID:9ZmdQgJIO
「ん、なに?」

アルマジロのようなつぶらな瞳をした30代半ばの男が手に持つ湯のみを置き、訊いた。
この中村と言う男は、脱サラ(と本人は言っている)して蕎麦職人へ転向したのも束の間、蕎麦の中へうっかりゴキブリを練りこんでしまい店から食中毒者を出し、おまけにそれが大きく報道されてしまったせいで二度と蕎麦を打たせてもらうことができなくなり、挙げ句の果てコンビニの店員となってしまった悲しみの男である。

「あれ、見てくださいよ」

カウンターの向こうを指差しながら、安斎はアルマジロの目を見つめてくる。

「あんなやつがいたら営業妨害ですよ。 どうします?」

もうすでに答えが決めてあるかのように訊いてくる安斎に、つぶらな瞳を細めながら、どうしよう、と聞き返す。

「ちょっと、本当にどうしようか」

「なんとかしてくださいよ。 俺、あんなのの相手するの嫌ですよ」

「いや、しかしね……」

俺だってあんなのの相手なんかしたくない。 だが、後輩の建前、逃げることはできない。
己の感情か、プライドか。
2つを計りにかけた結果、でた答えはーーーーー

「部下の君がいけ」

なんとも情けないものだった。





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