過去ログ - とある仮面の一方通行 そのに
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130: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/04(木) 20:33:56.81 ID:r56TljZ8o
「あの……それで御同行の方は……」

プロデューサーは恐る恐る黄泉川に尋ねる。
まだ高レベルの超能力者を目の当たりにしていないからか、不安そうな様子である。

「ん?ああ、どーせこいつ暇だし構わないじゃん。なんかあの子と息あってるし」

「それで、彼はどのような超能力を……?」

一番気になる所。
より凄い能力である程、画も映える。黄泉川の言が本物ならば撮影しがいもあると言うもの。

これが逆に地味なものだったら、放送事故につながりかねないから慎重にもなる。

「んー、説明しにくいなあ。実際に見てもらった方がいいかもしれないじゃん」

黄泉川はしばらく考え込むが、本当に説明し辛い。

「火を出せます」とか「電気出せます」とかならまだしも、
「ベクトルを操作できます」と言われても分かり辛いだろう。

「ハァ?なンだって俺が全国のお茶の間に超能力をお届けしなきゃならないンですかァ?」

「あれ、怖いの?ホントは超能力なんて使えないんでしょ?
 カメラも回ってないし、謝るなら今がチャンスじゃない?」

「……やってやろォじゃねェか。後になって後悔してもしらねェぞ」

「ふん、精々放送事故にならないよう気をつけることね!」

何より、当の一方通行があの様子だ。はっきり言って頼りない。
強いて言うなら姿形は目立つから、超能力者ですと紹介してもそれっぽいだろう。

「それでは、あなたのお名前をお伺いしてよろしいですか?」

何にせよ、一度能力を行使している所を見てから決めたらいい。
プロデューサーはそう思いなおし、一方通行に名前を尋ねた。

「あァ?……鈴科だ」

少しイライラとした面持ちで、一方通行は偽名を名乗った。

・・・

「あれ?そんな名字だったじゃん?」

「いや、偽名だから」

「……本当の名前は一体どこに行ったじゃんよ……」

「……家出して帰ってこねェンだ。俺の名前」

「……」

「……」


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