208: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/10(水) 08:33:13.01 ID:ZVqRrhcAo
・・・
目的の人物は割とすぐに見つかった。
しかし、彼女は『運び屋』で、『逃げる』事に特化した魔術を身につけているようで、
彼女との追いかけっこは結構な時間をかけて行われていた。
運び屋・オリアナ=トムソンの得意とする魔術は、
『速記原典(ショートハンド)』という魔道書の持つ魔法陣としての側面に特化したものである。
土御門元春が言うには、その魔術が近くの競技場に罠として仕掛けられているらしい。
何故『ただの運び屋』であるオリアナが、競技場と言う一般人も居るような場所にそのようなものを設置したのは謎だが、
一般人が傷つく恐れがあると言う時点でそれを無視する事は出来ない。
恐らくそれに時間をかけさせる事で、オリアナが逃げる時間稼ぎをするつもりだったのだろう。
思惑に乗るのは癪だが、そんなことを言っている暇はなかった。
競技場、と言う事でステイル=マグヌスは入れない。
故に上条当麻と土御門が選手の振りして校庭に入ることにしたのだが。
上条は競技場を前に、躊躇いの表情を浮かべている。
「中学生に混じるって抵抗あるなあ……」
その競技場では、中学生が学校単位で玉入れをするそうだ。
それに混じって術式探しとは弱ったものだと思う。
万が一高校生だとばれれば変態扱いされるではないか。
「これが小学生とかだったら色々詰みだったぜい?生徒に混ざる訳にもいかないしにゃー」
土御門は冗談交じりに笑う。
その笑みに幾ばくかの苦悶が浮かんでいるのは、
この競技場に仕掛けられている術式を探知するのに魔術をつかったからだ。
とはいえここは学園都市。変な輩を侵入させないようにチェックは万全である。
と言う訳で、まずは全身を泥だらけにして「体操服がどの学校かわからない」ようにします。
続いて、着替えが無い振りをして警備を言いくるめます。
最後に、泥だらけの手でIDカードを調べる機械を狂わせます。
そして状況があやふやなまま、着替えを取りに行くふりをしながら競技場へ向かいます。
「以上!楽に侵入出来る方法大全その11だぜいっと」
土御門は手馴れた様子で警備員を騙すと、上条を引っ張って保健室へと向かって行った。
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