231: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/13(土) 01:48:58.01 ID:Sa0tuZ+9o
「カミやん、『それ』を使う事で何か不具合は起きたりしないのか?」
吹寄制理を救う為に使われた『力』。
魔術とは違い、かなり簡単な手順(出来ない人間には出来ないが)で力の行使を行ったように見えるが、
そのような力を何の制約も無しに行う事が出来るとは思えない。
呪詛返し、という言葉があるように失敗したらその失敗が全て術者に帰って来るような事だってあるのだから、
未知の力を前にそのように心配するのも無理はなかった。
だがしかし、上条は何も気にした様子もなく引き鉄を引きつつ、行為でそれに答えた。
「オケアノス!マハブフ!!」
上条の背後から現れたそれは、バスのタイヤを一瞬にして凍らせた。
その凍り方は地面にまで至っており、
身動きの取れなくなったバスが緊急信号を飛ばしながらも扉を開いて、
乗客を降ろすべくプログラムを作動させた。
「……大丈夫だ、『飲まれない』のなら、制限付きだけどこの『力』は行使できる」
「そうか、なら良いんだが……」
どういう原理でその力を発しているのかは分からないが、
土御門は何となく超能力寄りの異能であるように感じられた。
術を行う下準備を行い、言葉や行動によってそれを発動させる魔術。
自分だけの現実を観測し、ミクロな世界を操るべく頭の中で演算させる超能力。
使えない人間からしたらどちらも異能には変わりないのだが、見た目は大きく違う。
魔術は「魔術っぽい準備」が見て取れるが、一方で超能力は、
一見して何も無い所から異能を発生させているように見える。
実際には複雑な演算を行っているのだがそれはさておき、
「銃を突きつけ引き鉄を引くだけ」で人を治したりバスを凍らせたりするあの力は、魔術っぽく無い。と、何となく思った。
とはいえ、見た目で分からないだけで何かを犠牲にしたり、
何か条件付であの力を使っているのかもしれないが、
土御門は研究者では無いのでそこまでのメカニズムは分からなかった。
そう言った意味で魔術か超能力かどちらかと問われれば超能力っぽいと直感したのだが、
今はそんなことよりもオリアナをとっ捕まえねばと考え、先程までの思考は霧散して行った。
「つーかカミやん、その力ホイホイと見せていいのかにゃー?」
「問題ねえ……と思う。さっきちらっと見ただけだけど、オリアナしか乗客は居なかったし。
お前はペルソナの事知ってるし」
「そうか。ならいいんだが」
オリアナに見られても良いのかと言う意味で聞いたのだが、
上条の回答から察するに別に気にしてないと言う事なのだろう。
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