232: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/13(土) 01:50:32.98 ID:Sa0tuZ+9o
「俺としてはどちらかと言うと、監視カメラとかが気になるかな……
何も考えずにバス止めたけど、これって色々とマズいよな?」
駅のホームで飛び降り自殺をしたら、運行ダイヤが乱れるせいでかなりの損害を被るので、
遺族に莫大な請求が行くとかなんとか、聞いたことがある。
ただの噂なので事実はどうなのかは知らない。
何にせよ、バスを無理矢理止める事で、それを確認する為の人件費やら、
本来バスに乗っていただろう乗客(大覇星祭時は特別運行なので運賃は無料だが)やら、
このバスが止まった事での損害がいくらかでるだろう。
そうなった時その損害を何処に請求するかと言えば、勿論加害者。
もし上条がバスを止めたと言う事がばれたら、
アンチスキルのお世話になる以上に「無能力者が強力な能力を使った」と言う事実が広まってしまう。
それは上条としてはものすごーく避けたい事象だった。
そんな上条の心配を察したのか、土御門は笑いながら言う。
「大丈夫だぜい?証拠隠滅は俺の得意分野だ。なんてったってスパイだからにゃー。
今日カミやんが暴れた事は全力でなかった事にする。
っても人の目だけはごまかせないから、隠したいなら人のいない所で力を使ってくれな」
「そうだな。例えばこの商店街みたいなとこだな」
土御門の返答に対し、上条はニヤリと笑いながらバスに近づいて行く。
そのバスの中からは、ゆったりと看板の様なものを抱えた女が出てきた。
どうやら逃げるのではなく、迎え撃つつもりらしい。
妖艶な雰囲気を纏いながら話しかけて来る。
「ふふ、それが超能力って奴かしら?さっき会った時は使わなかったけど」
「さあ、どうだったかな」
オリアナの質問に対してしらばっくれて返答する上条。
そんな上条を見てクスクスと笑いながら、ゆったりと単語帳を手にした。
「どちらにせよ、あんな冷たい氷使われちゃあお姉さんの熱も冷めちゃうわ。
もっとも、いきなりあんな力を見せられちゃって、ちょっと滾っちゃったけど。
見てみる?下はもう濡れ濡れよ?」
分かっているはずだ。自分が何をしたのかを。誰に手を出してしまったのかを。
故意か事故かと問われれば、恐らく事故だったのだろう。
しかし、それでも「魔術と何のかかわりもない人間に手を出した」と言う事実は変わらない。
だと言うのに、悪びれもせず出てきた言葉は冗談だった。
その事実に、上条は少しだけ眉をひそめた。
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