236: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/13(土) 01:58:26.10 ID:Sa0tuZ+9o
・・・
両者の距離はおよそ10メートル。
上条当麻はオリアナ=トムソンへと走り込んだ。
策も無く、考えも無く。
ただただ殴り倒す為だけに。
そんな相手の迎撃は、オリアナにとって容易いものであった。
オリアナは1枚、単語帳を破るという動作のみで魔術を発動させた。
上条がオリアナとの距離を5メートル程縮めたところだろうか、氷の塊が上条の目と鼻の先に現れ、
厚さ50センチ・高さ3メートルに至るそれは、道路全体を覆って上条とオリアナを遮る壁となる形でその場に鎮座していた。
その氷壁を境に、オリアナと上条は視線を交わす。
思わぬ壁が現れて、足を止めた上条はオケアノスを出現させた。
勿論、壁を取り除く為である。
「剛殺斬!!」
叫ぶと、上条の望みをかなえるべくオケアノスが氷壁を切り裂いた。
それによって人が2人か3人か通れる程の空間が出来たのだが、その先にオリアナは居なかった。
(まずっ……氷は、光の屈折……!?)
そのような思考が頭を巡った刹那、上条の全身に衝撃が襲う。
それと同時に激しい風切り音が鳴り響き、風の刃がオケアノスへと向かったようだった。
これを受けたオケアノスへのダメージが、上条へと伝わる。
更に、オケアノスが受け切れ無かった風が上条に直撃した事で幾ばくかの切り傷が生じ、顔を歪めた。
その様子を見たオリアナは、うんうんと頷きながら上条へと話しかける。
「へえ。あなたの使うそれ伝いに、あなたにもダメージが行くのね。
何処から、ましてや何から造り出したのかは分からないけど、
それであなたにダメージが通らないようじゃお姉さん焦っちゃうとこだったわあ」
オリアナは終始楽しげに笑っているが、
上条はオリアナの話を全くと言って良い程聞いていなかった。
「一定以上の傷を負った相手を昏倒させる術式」。
これに該当する傷を受けてしまったのではないかと、考えていた。
上条の傷口は、見てわかる程ぱっくりと開いていて、血がダラダラと流れている。
「んふふ、あなたのその能力もそうだけど、学園都市ってずいぶん珍しい子を集めているのね」
そんなことを言いながら、オリアナは単語帳を破る。
上条はオリアナが単語帳を口にした瞬間、反射的に耳を塞いだ。
しかし、次なる魔術は予想していたそれではなかった。
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