251: ◆DAbxBtgEsc[sage]
2011/08/13(土) 21:55:36.49 ID:Sa0tuZ+9o
『なンだ、上条?』
『ああ、インデックス何処に居るか知らねぇか?』
『丁度イイ。なンか魔術がどうたら言って走り出したからよ、
俺もインデックスについてってるンだが。
場所は沖合通りの服屋・シャングリラの―――』
詳しい事は分かっていないが、魔術師が居る事は分かったらしい。
兎にも角にも時間が無い。一方通行にインデックスを止めるよう頼むしかないと判断した。
『なっ!?事情は後で話すから、インデックスを止めてくれ!!』
『あ?そりゃ構わねェが……なン』
そして上条は、一方通行の言葉を待たずに電話を切りながら、駆ける。
場所は沖合通り。やはりといえばやはりだが、第七学区には居たらしい。
こういう時に不運を発揮するなよ、と愚痴りながら上条は走り続けた。
・・・
オリアナ=トムソンは、人通りの少ない路地裏に潜み、息を整えながら体を休めている。
いくらオリアナが実力者とはいえ、魔術師2人+謎の能力者を相手に休憩なしで戦い続けていた為に、割と体はボロボロだった。
とはいえ、彼女を追うべく構成された探知術式『理派四陣』。
これを破壊出来た上に魔術師のうちの1人―土御門と呼ばれていた男も再起不能に出来たのは僥倖である。
だがしかし、それの代償も深かった。
―――『聖人』、神裂火織の介入の恐れがある。
来るか来ないかは関係ない。「来るかもしれない」と言うだけで普通の魔術師なら聖人に目をつけられるのを避けるため、行動に支障をきたす。
オリアナもそんな1人だ。
いくらこの作戦を成功させねばならないとはいえ、
聖人が介入するとなれば全力でかかったとしても、時間稼ぎ程度で精一杯だ。
故に、おとりとしては危険な行為だが、敢えて足を止め魔術を用いて体を休める事にした。
もし仮に、神裂が介入してきても良いように。
来ないなら来ないで構わない。
どちらにせよ何処かで一度休まねばならないと思っていた所だし。
そんな訳で生命力の象徴である火、すなわち赤の文字で書かれた単語帳を千切って回復術式を展開し、じわじわと傷を防いでいた。
一気に治すような魔術も使えなくはないのだが、如何せんそちらはどうしても派手になるのでゆっくりと回復するしかない。
回復力で言えば土御門のもつ『肉体再生』のレベル1か2程度のものだが、それでも長時間使用すれば十分に回復が期待できる。
と言っても、この術式はもって30〜40分程度しか展開出来ないので完全に回復する、と言う訳にもいかなかったが。
(まあ、贅沢は言ってらんないわよね)
ふう、と仕事を増やしてくれる若者達(オリアナ自身も若いが)に溜息をつきつつも、やはり楽しそうな表情を浮かべていた。
だがしかし、そんな表情もすぐ歪む事になる。
「見つけた!」
1人のシスターの声によって。
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