272: ◆DAbxBtgEsc[saga sage]
2011/08/14(日) 03:34:33.78 ID:xlKYvBbQo
「まァ、なンつーか……本当の自分だか自分探しだか知らねェが……行き遅れたOLかっつゥの。
お前はまだ中学生だろォが、若ェンだから、余計なこと考えずに走り続けて見りゃいいンじゃねェの?」
お前は生き急ぎ過ぎなンだよ、とあっけらかんと言い放つ一方通行に、
久慈川は一瞬あっけにとられて、その後大きく笑った。※病院内ではお静かに。
「ふ、ふふ……ふふふ!何よそれ、今まで私が悩み続けてたのが馬鹿みたい!
でも……何だか楽になれた気がする。そうだね、とにかく頑張ってみたらいいのかな?
……さっきまでの出来事がひっじょーに気になる所なんだけど、誰だって知られたくない事もあるよね」
「お、おォ……」
急に物分かりがよくなったように感じられて、一方通行は思わずたじろいだ。
そんな姿を見て更にひとしきり笑ったところで、久慈川は病室を後にしようとする。
「それじゃあ、私いかなくちゃ。もうすぐナイトパレード始まるし、インタビューの続きもしなくちゃね」
「そォいやそンなのもあったなァ。いやァ良かった良かった。堂々とあの場から離れられて」
「む、そんなこと言って良いのかな?
後でテレビ付けた時、私が他の人とイチャイチャしてるの見てやきもちやいても知らないんだから!」
「はン、あンなぶりっ子キャラ売れるかってェの」
「売れたからあの場に居るのよ!!」
「そォなンだ、じゃあ私入院するね」
「興味無し!?」
「なンだよ、実は初めて見た時から……興奮してました。とか言われてェのかァ?」
「何でそこで雰囲気ブチ壊すの!?そこは初めて見た時から好きでしたとかそんなんじゃないの!?
流石にぶっちゃけすぎじゃないかな!?」
「よォし、その調子でナイトパレードも頑張ってこいよ。
まァ、気が向いたらテレビも見てやる」
「……分かった、それじゃあね」
「おォー」
バタン、と病室の扉を閉めた所で、久慈川は小さく微笑んだ。
(素直じゃないんだから……)
来年もまた、大覇星祭に来られたら良いな。
久慈川は決意を新たに、自分の仕事場へと向かうのだった。
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