292:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/08/15(月) 09:13:59.36 ID:BjnNGAqgo
「いやあ、まさか依頼主から直々に人をよこすとは思わなかったぜ。
ま、それだけ信用されてねえって事だろうが」
木原はステイルに嘘をついていた。
魔術師達を全て始末したと言ったが、そうではない。
実験に使う為何人か生かしておいたのだが、
それがバレたらややこしい事になりそうだと判断した為に、あのような嘘をついたのだ。
「あの赤毛は俺らの事は信用してなかったみたいだが、任務さえこなしてくれりゃ文句は無かったらしいな。
死体の確認もせず引き下がるなんざ、依頼主がわざわざこの場に人をよこして確認させに来た意味がねえ。
ってことはあいつは依頼主に頼まれて来たんじゃなくて、個人的に確認したいから来たってことだ。
それなら俺らの姿を確認するだけでもできるしなあ。
って事はだ……学園都市に奴らが侵入されて困る事でもあったってことか?」
先程のやりとりで、木原は自身の情報を名前しか明かすことなく、
ステイルから彼個人の事情を推測する事に成功していた。
使う事は無いかもしれないが、あって損は無い。そう考えてステイルの動向を軽く探ったのだ。
とはいえ、インデックスと言う存在も、それを取り巻く環境の事も知らない木原に、
ステイルの抱える事情を知る事は叶わなかったが。
「それに、あのガキ共だけは見られたくなかったしなぁ」
チラリと背後を向くと、そこには先程は居なかった子供が6人居た。
どうやらステイルがこちらに来ることをあらかじめ察知していたらしく、
6人の存在を隠す為に猟犬部隊から離れさせたようだ。
「ま、今はあの赤毛よりも実験だな、実験」
切るぞ〜刻むぞ〜、と物騒な内容の鼻歌を歌いながら、木原は学園都市へと帰還する。
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