過去ログ - とある仮面の一方通行 そのに
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34: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/29(金) 23:09:15.33 ID:kQbivQgpo
・・・

午後11時。
元々人が多く住まう地域では無かったのか、辺りは暗闇と静寂に包まれていた。

「さて、準備は出来ましたか?」

アニェーゼ=サンクティスはローマ正教のシスター達に尋ねる。
答えは、聞くまでも無かった。

「恐らく、天草式の『渦』の性質上、敵もうかうかしてらんねーはずです。
 つまり、敵方の作戦としては少数精鋭により、『渦』の発動直前にオルソラ=アクィナスを奪取、すぐさま逃走と言ったところでしょうか。
 こちらからオルソラを保護に向かおうとしても、天草式の邪魔が入っちまいますので……
 私達の作戦としては、オルソラを奪取した事で有る程度動きが制限される奴らを強襲する形になります。
 こちらの勝利条件は、『渦』から奴らを逃がさねー事です」

『渦』とは、天草式の特殊な術式で、簡単に言えば『劣化版どこでもドア』だ。
何処でも行ける訳ではないが、『渦』が設置されているポイントへならどこの『渦』からでも移動できるというもので、天草式にしか使えない。
すなわち、『渦』から逃げられれば『隠匿』に長けた天草式の面々を、捕捉する事は不可能になる。

そもそも、天草式にオルソラを奪取させない事が一番好ましいのだが、
天草式なら少数で桐条グループにもばれずオルソラを誘拐するくらいは出来るだろうが、
ローマ正教は統制された数を以って殲滅する事を得意としている為、どうしても桐条グループの目についてしまうだろう。

そうなった場合、互いに不利益になるだろう。

別に桐条グループと敵対したい訳ではないのだから、
ならば一時の危険位はオルソラに請け負ってもらう必要があった。

作戦の概要と、戦力の配置をアニェーゼが振り分けて行く。

そして作戦会議が終わり、その場には上条とステイル=マグヌスだけが残ったが、ステイルの表情は険しかった。

「どうした、ステイル?」

上条には、ステイルが少し、いやかなりイラついているように見える。
苦虫を噛み潰したような表情をするステイルは、

「なんだい?僕は今とてもイライラしているんだ。話はこの戦闘が終わってからにしてほしいね。
 まあ、終わった後に君が生きていれば、の話だけど」

上条の心配を不要と切って捨てた。
しかし、本当にイライラしていたのか、独り言を吐くように上条に愚痴り始めた。


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