341: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/21(日) 16:27:19.41 ID:SBeSs2W4o
じゃ、これで。と言った感じで一方通行はその場を後にしようとするのだが、
「ではでは、汚いところですが少しだけくつろいでってください」
「えっ」
いや、そんなつもりでここにいるわけじゃないのですが。
一方通行はどこまでもすれ違う思惑に頭を抱えつつ、
なし崩し的に部屋へと案内された、と言う訳だ。
ちなみに、一方通行の借りた部屋とお隣さんだったのは余談である。
そして時は現在。
「……どうですか?」
小萌先生はちらちらと差しだした湯呑とそれに手をつける一方通行を見やっていた。
それに構わず一方通行はグイッと緑茶をあおると、
「……まァ、うめェよ」
それを聞いた小萌先生の表情は花を咲かせるように明るくなり、
気を良くしたのか更にお茶を淹れようとした。
一方通行は天井のシミをボケーッと眺めつつ、どうしてこうなったか反芻している。
すると、小萌先生が急須を持ちあげた所でガチャリと玄関が開いた。
「あ!結標ちゃん、おかえりなさい!」
「あら?どうしてこんな時間に……ってあなたっ……!!」
当たり前のように入って来た、と言う事は小萌先生と同居している事だろう。
一方通行は結標ちゃん、と呼ばれた女性を見やりながらどうでもよさげに考えた。
対して、その女性の顔は驚愕の一色に染められている。
恐らく、『一方通行』というネームバリューを知っている者、と言う事だ。
それは総じて暗部に通じている、と言っても差し支えない。
とはいえここは月詠小萌の部屋である。
別に事を起こすつもりはないし、させるつもりもない。
そんな視線を結標に送ると、それを察したのか口をつぐんだ。
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