343: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/21(日) 16:30:43.61 ID:SBeSs2W4o
「丁度隣の人も帰って来たみたいです。
白髪ちゃんに今度会った時、お隣さんがどんな人なのか教えてもらわないといけませんねー」
「……まだお隣さんのこと、諦めてなかったのね」
そう。「お隣さん」と言う事でたまに訪問するのだが、いつも居ないのだ。
明らかに今は居る。
ならば今から尋ねればいいはずなのだが、
こういったケースで訪問しても居留守をしているのか知らないが、居ない。
居留守をしているんじゃないかと、結標の能力である『座標移動(ムーブポイント)』にて小萌先生特製の肉じゃがを鍋ごと(手紙付きで)送ってみた。
一応部屋の内装は小萌先生の部屋と左右対称なので、
玄関から1m先の5cm程宙に浮かせる形で送ったので何かに埋め込まれる、と言う事は無い。
一応、明らかに玄関からは人の気配が無い時にそれを行ったので、
誰かの体に肉じゃがが……と言う事もない……はず。
次の日に玄関の前に空の鍋があったのでやはり住人は居るのだろうが、どうにも会いたがらない。
何か事情があるのだろうとは思うものの、ここまで徹底されると非常に気になるが、
やはり事情を抱えた人間に無理矢理それを聞くと言うのは良くない。
そんな考えも相まって結局お隣さんの事は放置すると言う方向で考えがまとまったのだが、
あのタイミングなら確実に一方通行はお隣さんの顔を見たはずだ。
こうなると気になると言う気持ちが再燃して来る。
「どんな人なんですかねー。今度は鯖の煮付けでも作りましょうか」
「……今度はあんな博打みたいな真似したくないからね」
「分かってます!今度は堂々と、玄関からですねー」
のほほんと話す小萌先生を見やりながら、結標は考える。
何故、一方通行がここに。
と言うかさっきの扉の音、下手したら一方通行自身の可能性だってある。
(まあ、こんなセキュリティもへったくれも無い場所に隠れ家なんてありえないだろうけど)
馬鹿みたい、と斬って捨てた考えが正解だとは結標も思わなかっただろう。
小萌先生に学校はどうしたと突っ込みを入れながら、
一方通行との邂逅を記憶の奥底に封印するのだった。
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