過去ログ - とある仮面の一方通行 そのに
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35: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/29(金) 23:10:55.20 ID:kQbivQgpo

「『法の書』がどうというんだ。第一こちらにはそんなものよりもずっと重要な『禁書目録』が居ると言うのに。
 どうして『法の書』ごときの為に、天草式の『渦』の設置地点の特定の為に、インデックスが前線に赴かねばならない?」

危機管理能力が欠乏しているとしか思えないね。
と忌々しげに言い放ち、更に愚痴り続ける。

「大体、「この決定はローマ正教従20億人の総意だと思え」なんて言われたら断れないに決まってるじゃないか!
 その上僕が護衛をしようとしたら、「私らは統制された動きに重きを置いているので、部外者は下がっててください」だと!?
 だったら最初から僕なんか要らないじゃないか!!
 ふざけやがって、インデックスに何か有ってみろ!あいつらオルソラごと燃やしつくしてやるからな!!」

英国紳士には似つかわしくない暴言の数々で、ローマ正教の部隊の指導者であるアニェーゼを罵倒する。
その必死さから、インデックスを思いやる余りに、と言う気持ちがにじみ出ていた。

ちなみに、ステイルと上条の主だった任務は「もし仮に『聖人』が武力介入してきた時、それを撃退」と言うもので、
本当に来るかも分からない『聖人』を後方で待ってろ、と言うのだ。

すなわち、それは遠まわしに戦力外通告をしているようなものだった。

「なあステイル、お前さ」

「なんだい、さっきも言ったけど今僕は虫の居所が―――」

「インデックスの事好きだろ?」

「ぶはっ!!!?」

「おお、図星か」

「なな……君は何を……」

「つーかさ、「後方待機」とか言うけどよ、ステイル。お前待機する気ないだろ?」

「……当然だ。例えそれが命令された事だとしても、命令違反でローマ正教やイギリス清教と敵対する事になっても、
 僕は彼女を守ると決めたんだ。だから誰だって殺すし、誰だって燃やす。
 僕が今こうしてあいつらの命令を聞いているふりをしているのも、それが彼女の為になるからだ。
 『禁書目録』の有用性が示せなければ、インデックスは今すぐにでもイギリスに強制送還だろう。
 それはインデックスの望む事では無い。だから僕は奴らの作戦に乗る」

まあ、インデックスに危険が及ぶようなら、命令は無視させて貰うが。
と、散々愚痴って落ち着きを取り戻したステイルは、タバコをふかしながら投げやりに語る。



「誓ったんだ。例え彼女が全てを忘れても、僕は何一つ忘れずに彼女の為に生きて死ぬ、と」



その思いは、恋にしては重すぎて。

その思いは、愛にしては一方的で。

その思いは、どこまでも狂信的で。

その思いは、どこまでも人間味を帯びたものだった。


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