380: ◆DAbxBtgEsc[sage]
2011/08/24(水) 17:31:26.06 ID:VIc86ugYo
「安心しろよ、痛覚は完全に遮断してやってるから。
だから爪とか剥いでも問題ねェよなァ?」
1つ間を置いて、一方通行はつまらなそうに吐き捨てた。
「『俺が能力を使ってる間は』痛くねェもンな?」
能力を使っている間、と言う事は傷つけられた分だけ、
後からそれの痛みが一緒くたに襲ってくる。
それを想像しただけで男の顔からは生気がみるみると失われて行った。
「あのさァ、さっさと吐けって言ってるのがわかんねェ?」
一本目に一方通行の手が伸びた所で、男が許しを乞い始めた。
勢いそのままにある事無い事しゃべるだろうと思っていたのだが、
それよりも早く一方通行達の周囲を似たような黒塗りのワンボックスカーが3台ほどで囲んだ。
「ったく、わざわざご苦労なこったな」
一方通行は愚痴をつくと、3台の車の動向を探るべく、ジッとそれらを見つめる。
すると中からヒトではなく、長い銃口だけが顔を出し、一方通行を狙っていた。
それを見た一方通行は男の首根っこを掴むと同時に自身が乗っているボンネットを踏み抜き宙へと舞う。
一方通行が足で思い切り踏みつけた事をきっかけに、
最早限界に達していたのだろう、ワンボックスカーは爆発してその役目を閉じた。
「思わず助けちまったが……こンなクソったれ助けるとかヤキが回っちまったかァ?」
地に降りたった一方通行は、男の首を掴んだまま、
それを未だ銃口しか見せてないワンボックスカーの元まで転がす。
すると続々と3台の車の中から兵隊達が現れその部隊のリーダーと思しき男が、
地面で呻く男の前まで歩いて行くと、止めを刺した。
「だーから言ったじゃねえかよお」
事もなげに人間を撃ち殺した刺青を入れた研究者風の男は、
ゆったりと一方通行の方へと振り向いた。
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