405: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/25(木) 00:55:45.75 ID:ygwqLV1Vo
・・・
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アレイスター=クロウリーは、相も変わらず窓の無いビルの中で、
フラスコのような円筒器の中に揺られていた。
自身の生命維持を全て科学技術に任せて、
そして彼もしくは彼女は思考のみに全てを捧げている為、
今もなお目の前に広がる異常を知らせるモニターの数々を見て、笑みを浮かべた。
普段そのモニターには異常など感知されるはずもないのだが。
それは大覇星祭の『使徒十字』でも同様だったのだが。
たった1人の魔術師によってここまで場を乱されてしまったのだ。
ヴェントが侵入してからわずか1時間足らずで、ここまでの人員が犠牲になった。
アンチスキル・ジャッジメントの7割弱が、ヴェントの手にかかったのだ。
調べる限りでは犠牲者は居ない、と言うか恐らくそう言う『術式』なのだろう。
とはいえ、いつまでもこの状態が続けば立て直しは図れないだろう。
この街は、既に死に体だった。
しかし、その街の長は、笑みを崩す事は無く。
『人間』は喜怒哀楽の全てを同時に表し、
それでいて全てを否定するかのような笑みを浮かべていた。
そうして呟いた言葉。
「面白い」
「これだから人生は止められない。
人生にイレギュラーは付き物だが、ここまでの物は久方ぶりだな。
しかし、これは丁度良い。飛んで火に居る夏の虫、とはこの事を指すのだろうな」
予想より早いが、『実験』にはうってつけの環境を奴は作ってくれた。
アレイスターはヴェントに対して感謝の意を示すと、無線装置の一つを使い、
とある暗部組織の部隊長に連絡を飛ばす。
「猟犬部隊――木原数多」
相手の返答を受け、アレイスターは短く指令を出した。
「虚数学区・五行機関……AIM拡散力場だ。少し早いが、
ヒューズ=カザキリを起動させ『選別』のついでに奴らを潰すぞ。
現在逃走中の検体番号20001号を捕獲後、指定のポイントへと運んでくれ。
早急かつ丁寧にな」
無線を切ると、彼は言った。
「Project. Tartaros、まずは『適正者』を選び出すとしようか」
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