444: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/29(月) 01:11:40.75 ID:oqJcByqvo
そんな一方通行に対して、冥土返しはきっぱりと告げる。
『やろう』
そして一方通行の言葉を待たずに、冥土返しは続ける。
『発煙筒か何かで火事が起きたと言って、そこからテロにでも結び付ければ大義名分も立つ。
動かすのも危険な患者もいるが、そう言った者達を救うのが僕の仕事だ。やってやるよ』
『……悪ィな。最悪あと数人急患を送りつける事になるかもしれねェ。
勿論、俺も含めてなァ』
『おや、意外だね。僕はてっきりこの件に関わった者
全てを救ってみせる位言ってくると思ったんだけど?』
少し申し訳なさそうに感謝の意を示す一方通行だが、
冥土返しはそれ以上に一方通行の言葉に対して意外そうな口調で返答した。
『ハッ、夢は寝て見るもンだぜェ?まァ、それが出来るのに越した事はねェンだけどな。
なるだけ無傷で助けてみせる。だが、最低限『助ける』しか出来ねェ場合もある。
……ムカつくけどな、形振り構ってらンねェンだ。だからその後は任せる……俺達を、助けてくれ』
『……当然だ、僕を誰だと思っているんだい?……『冥土返し』、だ。
それが出来なくてその名を名乗るなんておこがましいとは思わないかい?』
その力強い返答が、どれだけ心強いものだったろう。
一方通行は感謝の意をもう一度示すと、続いて病院の退避先を聞いてから受話器を降ろす。
―――その目には、今まで以上に炎のようなギラついた何かが滾っていた。
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