446: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/29(月) 01:14:59.74 ID:oqJcByqvo
そこで御坂も思い出した。
自分は門限ギリギリだったという事実を。
そしてそれは既に過ぎてしまっているという事実を。
冷汗を雨で洗い流しながらも、それでもなお流れ落ちる水滴は、
やはり雨だと思いたい御坂は震える声で話す。
『あの、ごめん、私も今外』
『何……だと……?』
思わず白井も淑女らしくない返答をよこした。
そんな中で、白井の少し後方から、別の声がスピーカーに届く。
『あれー?白井さん、御坂さんに連絡付かなかったんですか?
よかったですね、これで寮監さんからの懲罰確定で――』
『うおっとしいですの!!』
何やら騒がしいが、この声は恐らく初春飾利のものだろう。
となると、彼女らは今現在支部でお勤めの真っ最中という事か。
『しかし、これはまずいですの。
2人して外に出ているという事は門限超過に関する書類を提出できませんし。
と言う事は2人してあの寮監に……』
『あれ?そういえば白井さんは良いとして、御坂さんはどうしてこんな時間に外に?』
『ッッ!!?』
白井と初春の声をぼんやりと聞いていた御坂だったが、
ここで通話の音声に雑音がすこし混じり、ミシミシッと何か圧のかかったような音が響いた。
恐らく、白井が力の限り携帯を握りしめているのだろう。
『お、お姉さま?まさかとは思いますが、あの類人猿と今一緒に……?
己れあのクソッタレめ!!雨の夜景を楽しむとはなんて渋いチョイスを……だが、良いセンスだ!』
『……良かったわね、私は1人よ(今は)』
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