459: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/08/29(月) 23:13:15.38 ID:oqJcByqvo
暗闇の中、とある大通りでは張りつめたような緊張感で覆われていた。
ドクドクと脈打つ心臓が持つ熱を、降り注ぐ雨が幾度となく冷まして行く。
それでも、上条当麻の極度の緊張感から来る熱を冷ます事は叶わない。
「緊張なんてしなくても大丈夫ダヨ?痛みなんて感じるヒマも無いんだし」
彼の目の前にはヴェントと名乗った女が、
薔薇の茎のような有刺鉄線を巻きつけたハンマーを持って、
鼻歌交じりに野球選手の様な素振りをしていた。
何だかそれだけを見てると悪そうな人には見えないが、
倒れ伏すアンチスキル達の中、平気な顔して素振りをしているのでその評価は一気に覆るというものだ。
何にせよ、呑気に素振りしてるしそろそろお暇をば……
と言った感じでそそくさとその場を去ろうとする上条に、ヴェントは声をかける。
「私をムシして何処行こうっての?」
「え、ええっと……その、あっちの方に」
「ふうん、成程ね」
しどろもどろに返答する上条だったが、何やらヴェントは納得したように頷いた。
え?どゆこと?と疑問符を浮かべる上条をガン無視しつつも、ヴェントは笑う。
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