過去ログ - とある仮面の一方通行 そのに
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48: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/07/30(土) 17:28:06.48 ID:lqjAqMbuo
・・・

この茶番劇の裏側を一方通行から教えられたのは、およそ1時間前。
ローマ正教らが作戦内容を煮詰めている頃に連絡が来たのだ。

『やっぱローマ正教は駄目だ。下手したらお前やインデックスも消す気でいやがるぜェ?』

信じたかったのだが、会って間もないローマ正教よりも、一方通行の方が信頼できる。

更に、その言葉は頭ごなしにローマ正教を否定するのではなく、具体的な根拠もあったし、
実際にオルソラ=アクィナスとも電話越しながら話して確信を持った。


オルソラは、ただ魔道書を何とかしたかっただけなのだ。
人々を不幸にしかしない魔道書を。


ただそれだけの事なのに、ローマ正教は一人の人間に力を持つ事を恐れたのか、
オルソラを異端として消すつもりらしい。

あわよくば、『禁書目録』というローマ正教の手中に無い重要な存在すらも。

ところで、上条当麻がここに居る訳は、インデックスにある。
彼女を守るために、ここまでやって来た。

それに害を為そうと言うのならば、ローマ正教がどういう思惑で、
各個人がどういう心持ちで動いていようが知らない。

天草式がどういう思惑で、何を思ってオルソラを助けようと動いていようが知らない。

絶対的な正義なんて無い。
絶対的な悪なんて無い。

ローマ正教から悪と罵られようとも、天草式が正義を唱えていようとも、そんな事は知らない。



自分達が絶対に正しいと思うなら。



―――まずはそのふざけた幻想をぶち殺す。



一方通行との通話を終えると、上条当麻は激情を抑えるかのように、
そのまま圧し折るかのような勢いで、携帯電話を握った。

上条には既に、「誰もが笑って終われるハッピーエンド」という幻想は霧散して、その考えは心に無い。

自身の影と相対した時に。
自身の影の苦しみを見た時に。

今回も、インデックスが優先順位の最上位に来ていたと言うだけだ。
とはいえ、ローマ正教の位置に誰か別の―――例えば土御門元春等が居たら、どちらも守る為に必死で走りまわっただろう。

今回は、インデックスや一方通行に味方する天草式と、たまたま利害が一致しただけだ。

兎にも角にも巡り合わせが違えば、ローマ正教の思惑に乗って天草式と敵対してしまっていたかもしれない。

何せ自分達を騙す為か知らないが、日中手持無沙汰だった時、色々とご高説垂れていたのだから。

今となってはあのような滑稽な演技など馬耳東風と言った具合に気にしないだろうが、
一方通行がいなければ間違いなく騙されていただろう。

(まあ、そんな仮定に意味が無いのは、よく知ってるけどな)

落ちつきを取り戻した上条は、誰も居ないテントの天井を眺め、今後の動き方に関して思いを馳せた。


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