509: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/09/05(月) 02:25:36.55 ID:GQuHMGOqo
・・・
「どういう事だ?」
猟犬部隊の1人がナンシーの提案した作戦に首をかしげる。
と言うのも、今現在猟犬部隊はアンチスキルの格好をしているのだが、
名目上は研究所に潜伏していると思われるテロリストの捜索と言う事なので、
なるべく戦闘は避け目標を捕捉する事だけに集中するべき、と提案したからだ。
ナンシーはだらんとしてやる気なさげに自身が潜伏している待合室のソファーに座りこみ、
とてもじゃないがこれから任務を行う姿には見えない。
ナンシーの同僚は、彼女の考えが読めずに首をかしげている。
ここで、一方通行がこうして猟犬部隊に狙われているのは、彼が打ち止めを保護しているからだ。
その為、打ち止めを捕獲するにあたってその障害になり得る一方通行は
出来れば排除したいところ、と言うのがお上の決定である。
とはいえ、最低限時間稼ぎが出来ればそれで良い為、必ずしも排除をする必要はない。
本気で一方通行を殺害するなら、このように大々的に部隊を動かすよりも、
普段の日常の中で一方通行が本領を発揮する前に暗殺する、
と言った方法を取った方が人材的にも金銭的のも楽なものである。
そう言った事情もある為、木原数多は猟犬部隊に対して
「時間稼ぎ30分もしくは撃破」と言う条件で任務を与えたのだ。
確かに、今後も障害になり得る一方通行は、今撃破した方がいいのだろう。しかし、
「手負いとはいえ、反射を稼働させた状態の一方通行を打倒できる人間は限られているわ」
例えば、木原数多。
例えば……ここでもうナンシーが挙げられる人物は居なくなった。
ナンシーは嗅覚センサーをゆらゆらと揺らしながら、事もなげに続ける。
「あの人は私らに何も期待していない」
木原は、猟犬部隊に何も期待していない。
失敗したら殺すし、成功したら引き続き使い潰す。
それが当たり前で、従前から十全に当然のことで。
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