534: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/09/09(金) 14:35:13.38 ID:5XMi+z0uo
「……私はこう見えて昔はやんちゃしててな」
「はい?」
「アンチスキルには結構世話になってるんだが、君は何処の支部の人間なんだ?
ひょっとしたら私の知っている人も近くに所属しているかもしれん」
木山はジッと女を見つめる。しかし、女には動揺は見られない。
女は自分にしか分からない程度に目を見開くと、続いて口も開いた。
「私はこの通り、第八十三支部でしがない下っ端をやらせていただいてますよ」
女は懐をごそごそとまさぐった後、警察手帳の様なアンチスキルとしての証明証を取りだした。
これは研究員達をこの場から離れさせる為にも使った
偽造手帳なのだが、一般人に対してならほぼ確実に騙せるほどの精度である。
それを見た木山は納得したように一つ頷きながら、続ける。
「ほほう、これはすごい偶然だな。数多くあるアンチスキルの支部で、私が知ってる支部と一致するとは……
そこの部隊長に『黄泉川愛穂』って女性が居るんじゃないか?彼女には随分と世話になってね」
黄泉川愛穂とは、『幻想御手』の際に顔を合わせていたのだが、彼女は第七十三支部の所属だ。
これにどう反応するか、木山は表情一つ変えずに女の様子をうかがう。
「え?違いますよ、うちの隊長は『山笠』さんですけど、
どっか別の支部と勘違いしたんじゃないですか?」
当たり前のように返答する女からは、動揺の一つも見られない。
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