541: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/09/09(金) 14:46:15.39 ID:5XMi+z0uo
「虚数学区……AIM拡散力場……そして……ペルソナ」
ブツブツと呟きながらも思考を回転させる。
いや、むしろこの呟きは無意識的なもので、思考に全てを注いでいる状態だろう。
それでもキーボードを叩く指の動きは止まらない。
もはや身体に染みついた動きで慣れたものである、と言ったところか。
(『心』と言う自分だけの現実と演算によって事象を歪める超能力。
対して、『心』によって直接現実を歪めるペルソナ……。
そして、現実の理に沿って現実を歪める魔術……)
(魔術と超能力は対を為す存在であるってのは分かったが、
ペルソナと言う存在の立ち位置は……どちらかと言えば超能力寄りだよなぁ……)
(いやむしろ、超能力をもっと広義的なものにしたのがペルソナと言えるか……?
だとすると、学園都市の超能力開発の目的は……イヤ、そりゃいくらなんでも突拍子なさすぎるな)
(……『召喚器』が無い場合、マヨナカテレビの中でしかペルソナを出せない。
マヨナカテレビとこちらの世界、その差はなんだ?)
そこまで思考を続けた所で、ふう、と息をついた。
知らない間に呼吸をしろと言う命令すら脳が行えない程に思考が集中していたのだろうか。
身体が限界に達し、酸素を求める事で思考を一旦中断した。
「マヨナカテレビに虚数学区。ヒューズ=カザキリだったか、それにAIM拡散力場とペルソナ。
この辺の関連性をはっきりさせりゃ、色んな疑問が解決出来そうだよなぁ」
やはり人生はこうでなくてはならない。
分からない事を理解出来るようになる、それが気持ち良くて、研究職についた。
子供の時からそうだった。
どうして車は動くのか。
どうして物は下へ下へと落ちるのか。
どうして生物は息をするのか。
日常の中で『どうして』と言う疑問はいくらでも浮かび上がっていた。
そしてそれを一つ一つ調べ上げ、理解する。
そんなことを繰り返しているうちにいつしか人の身体をもいじくるようになっていた。
少し前までは何故こうなるんだ、と言う事を考える事自体が少なくなっていたが、最近は違う。
魔術に超能力、そしてペルソナと、自身の理解を越えた何かがそこにはある。
木原はそれを確信したものの、理解には程遠いと痛感したが、そこには喜びしかなかった。
(アレイスターの野郎は、どんだけ俺より先に行ってんだぁ!?)
ワクワクが止まらない。と、木原は高らかに笑ってキーボードを叩き続けた。
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