583: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/09/16(金) 11:39:42.30 ID:61qfjt2Qo
少女達が口論する中で、妹達はそれを止められそうにないと判断した。
まともに首すら回すことが出来ない程に、身体が何かに縛られたかのごとく動かない。
最終信号からの緊急コードだ。
この命令には下位個体である妹達は抗う事が出来ない。
一瞬にして脳の稼働領域を奪われた彼女達は、
ただ呼吸をおこなうだけの生物と化し、各々がその場に固まっていた。
どうする、それは妹達全員が同時に思ったことだ。
例えば奪われた演算領域を取り戻す為の抵抗を止めるとしよう。
そこから出来る1人1人の演算区域はさほど広いものではないが、
それを1万人分集めるとなると話は違う。
1人分の演算能力を補助する程度には脳の稼働を取り戻す事は可能である。
しかし、誰の演算能力を取り戻す?
そんな中、1人の声が、ミサカネットワーク上を巡った。
『ミサカに、皆さんの演算領域を貸しては頂けませんか?と、ミサカ9982号は提案します』
別にそれは構わないのだが、何故?と言う疑問が浮かび上がる。
だがしかし、それに答えている暇も無く、9982号の提案を断る理由も存在しないので妹達は一瞬にして一致団結した。
『―――ありがとうございます』
薄れゆく意識の中、9982号の声を聞いた。
そして妹達の1人である10032号は、確信を持つ。
(やはり、9982号や一方通行の抱える事情と関わりがある、と言う事ですね……)
色々と調べてはみたが、ろくに調べは進む事が無かった。
やっぱり直接問いただした方が早い気がする。
(あの似非忍者は無事なのでしょうか……)
もはや深く何かを考え込む程の演算領域は残っていない。
最後に残った意識の残滓は、自身の我儘に嫌々ながらも付き合ってくれていたお人よしの忍者を想っていた。
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