657: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/03(月) 07:50:09.17 ID:avVsFyI5o
<天上楽土F1>
「……」
「……」
無言。
一方通行は近くの柱に寄りかかり、木山春生は花壇の縁を椅子にしていた。
結構な時間を待機に……と言ってもまだ30分も経っていないだろうか、
兎に角待機に費やしているが、未だに帰ってきていない。
本来ここまでする義理は無かったのだが、
どちらにせよクマが居ないと帰れないのだから仕方ない。
そんな中で、一方通行は物憂げにする木山の顔を見ながら、一つ疑問を浮かべた。
(……やっぱ影が出てくる気配がねェな)
今までマヨナカテレビに入った中で自身の影と遭遇していないのは一方通行のみで、
他の面々は自身の恐怖やトラウマを乗り越えてきた。
クマに関してはある意味例外であるが、
他の面々はマヨナカテレビに入ったその日に自身の影と遭遇している。
このまま影が出てこないのであれば、それはすなわち
ペルソナを扱う事が出来ると言う事実を示しているのではないか?
以前桐条美鶴らと初めて対面した際、美鶴達もまた『影』と相対せねば
マヨナカテレビではペルソナを扱えない、と一方通行は言ったが恐らくそうではない。
美鶴達は問題無くペルソナを扱う事が出来るだろう。
布束砥信のように暴走さえしなければ。
そして話を聞く限りでは美鶴達はペルソナの制御を出来ているらしいので
とどのつまり問題など無いと言う訳だ。
ただ、それを証明する術は実際に美鶴達のうち誰かが
マヨナカテレビに入る必要がある為真実は不明であるが。
あの時の一方通行の言葉はただ単に、彼女らを
マヨナカテレビにまで付き合わせる必要が無いと判断した為の発言である。
それはさておき、未だに木山に異変が見られない、と言うのは偶然かはたまた必然か……
「ン……?」
すると、門の奥から人影が見えてきた。
どうやらようやく到着したらしい。
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