734: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/18(火) 02:23:05.46 ID:W+lugpeco
「無茶はアカンクマよー、こっからは歩いて進むクマ!もうあの光の翼まで目の前だし」
「そう言ってもらえるとありがたいわね……」
クマって語尾は一体何なんだ、と最初にあった頃から突っ込みを入れたかったのだが、今はそれをする余裕すら無い。
結標は何とか笑みを作って一同に感謝を示した。
一方で、春上衿衣は辺りをキョロキョロ見回している。
そんな春上の姿を見て布束も辺りに意識を向けた事で初めて異変に気がついた。
「incidentally、上条君が居ないわね」
「え、嘘……?」
息を切らした結標もまた辺りを見回す。
布束とクマは一応『幻想殺し』について話を聞いてはいる……
聞いてはいるものの力が復活したと言う事は聞いていない為、『幻想殺し』の事は頭から消え去っていた。
となるとこの場で残された可能性は……。
「「……」」
「え、ええっと……」
じーっと一同は結標を見た。当の結標は少し涙目である。
体力を限界まで振り絞った結標に対して、一同はこれ以上何かを言う事など出来なかった。
「……well、とりあえず光の翼のとこまで行きましょうか。上条君はほら、1人でも十分強いし」
「そうクマね!そうときまったら出発クマよ!」
「はいなの」
その優しさが、結標には辛い。
とは言えこの場に責任を持つべき人間は居ないのだが、
強いて言うのなら幻想殺しについて布束とクマに伝えなかった上条当麻が悪い。
そんな事知る由も無い結標からしたら責任感と罪悪感で押し潰されそうなのであるが。
多分目に溜まっているのは精神的疲労から来た汗だ、そうに違いない。
結標は目元を拭うと先を歩く3人について行くのだった。
855Res/840.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。