738: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/18(火) 02:33:17.05 ID:W+lugpeco
・・・
「クソが……何なんだ、一体さっきからわらわらとよォ……!!」
血の塊を吐きだす。全身が痛みを訴えてくるがそんなものは知ったこっちゃない。
前方のヴェントは重たい腕を振るいながら魔術を発動させる。
しかし、その魔術を発動させるたびにヴェントの身体は死へと近づいて行く。
とはいえ何もしなければ待っているのは死だけだ。
そんな理不尽な状況下でもヴェントは手にしたハンマーを片時も離さない。
しかしいい加減体力も尽きて来たのだろうか、
ようやく周囲から気配が消えた事で腰を落ち着けた。
そうして呼吸を整えながら頭に上った血を冷やしつつ現状について思考を始める。
(明らかに科学とは思えない、魔術ですらない……)
一体何の力で魔術を否定し、一体何の力で目の前のバケモノ共は蠢いているのか。
(そう言えば、フィアンマの野郎が何か言ってたな……)
魔術が現れた理由。
それは『才』ある者に対抗するための知恵と力だ、と。
その時ヴェントは何を当たり前の事を、と思いながらもふと疑問に思う。
当たり前すぎて疑問に思う事すらなかったのだが、
フィアンマと言う人間の言葉によって初めて疑問に思う機会が得られたと言うべきだろうか。
『才』とは一体何なのか?
(超能力者では無い。あれはここ50年で台頭してきた人工的なモンだ)
その『才』に関する事柄は完全に秘匿されてきた。
と言うより忘れ去られた存在だと言っても良いだろう。
あの『禁書目録』ですら知らない力の存在。
いや、禁書目録は『魔術』に関する知識しかないのだから知らないのは当然だろう。
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