772: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/23(日) 04:11:07.46 ID:Z+vgETdzo
・・・
「何だあれ、アヘ顔晒して恥ずかしい奴だなぁオイ」
麦野沈利は目の前に見える「それ」に対して突っ込みを入れた。
あまりにあんまりな表現に女性陣はげんなりとした表情を浮かべ、
コロマルや天田乾は意味が分かってないようで困惑したまま『天使』の表情を見る。
頭を垂れ、だらしなく開かれた口からは舌と唾液がポタポタと落ち、
更には雨によって涎と混じり合った液体が胸元をぬらす。
普通の人間だったなら、無造作に涎を垂れ流す事など寝てる時位にしかしないし、
雨に濡られたら顔を拭く位はするだろう。
しかし、そんな気配を見せない……と言うよりは、「無駄な動きをしない」と言った方が正しいだろうか。
頭の上で浮いている天使の輪のようなものはガチャガチャとせわしなく動き続け、
その輪の動きで『天使』が動いているようにも見えた。
(あの天使……のような人?は、多分……)
『感知』に特化した山岸風香がこうして間近で見たからこそわかった事。
まず一つ、その力は本物であると言う事。
次に、頭の上の輪に力が収束し、続いて下の女性の姿をした者に
その力を送りこむことで無理矢理操っている、と言う事。
危険だ、と山岸は直感的に察する。
そしてその虚ろな瞳が、山岸達を見据えると、ギチギチと嫌な音を立てながら右腕を向けて来た。
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