788:後ペルソナ名の案出してくれてありがとな!ベルフェゴール辺り使うかもわからん ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/25(火) 00:02:56.26 ID:6/gzPk47o
科学が、憎い。
弟を守れなかった、弟を殺した、科学が。
自分だけを助けた、自分だけを生かした、科学が。
殺しても、殺しても、まだ足りない程に、憎い。
とはいえ、科学による恩恵は計り知れないものがある。
事実自分もその技術に頼る事がしばしばあった。
頭では理解出来る。
科学も完璧では無い、と。
しかし、心では理解できなかった。
それも当然だろう。
何せ弟が『事故』で亡くなった時、ヴェントも弟もまだ子供だったのだから。
そんな簡単に受け入れられるものではない。
子供の頃に受けたトラウマとは、そういうものだ。
血にまみれて弱弱しく手を握る男の子と、それを握り返す女の子。
―――おねえちゃんを、たすけてください。
弱弱しく握られたその手からは、確かな力を感じられ。
弱弱しく微笑んだその顔からは、確かな意思が感じられた。
多分、自分何かよりもずっと強い子に育ったはずだ。
私が死んでいれば。私が弟の代わりに生きなければ。
科学は憎い。
弟を救えなかったから。
神様は憎い。
弟を救わなかったから。
そして何より。
弟も救えない無力な自分が、憎い。
855Res/840.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。