795: ◆DAbxBtgEsc[saga]
2011/10/25(火) 00:09:57.92 ID:6/gzPk47o
ただただ、気に喰わない。
だからこそ、木原の思惑は全部ぶち壊しにしてやりたい。
しかし、それを為す力がなかった。
(―――力ってなンだ?)
(今までちっとばっかし鍛えてきたこの拳か?)
ア ク セ ラ レータ
(それとも、自分の身を守るしか能のねェ役立たずの盾か?)
(もしくは、『才』を望んだ非才の人間が生み出したとっつゥ、魔術か?)
(それか、心の中を心のままに発揮する、ペルソナの事か……?)
(イヤ、違ェ。それだけじゃ足りねェ……)
こうして考えている間にも木原から拳が飛んでくるのだが、
それをかろうじて避けながらも思考を続けた。
(……風斬)
チラリ、と自身の背後に見える力の奔流……風斬氷華と思しき紫電の翼を見やる。
戦闘中だと言うのに呑気にも「ゆらゆら揺れてて綺麗だなァ」とかなんとか思ってしまい、
それが決定的な隙となり、一方通行は木原に殴り飛ばされてしまった。
ゴロゴロと床を転がり、窓の手前でその動きを止める。
それと同時に、応急処置を施した胸元からは血があふれだす。
やはり応急処置は応急処置に過ぎず、
ちゃんとした治療もせずに動きまわればそうなるのは必然だろう。
しかし殴られた事など、胸元から血が噴き出すなど、
そんな事は些事だと言わんばかりに一方通行はユラリと立ち上がった。
「……お前……殴られといて何だよ、その面はよォ……!」
一方通行のその動きを見て、何かに気圧されたかのように木原は一歩後ろに下がる。
その間にも一方通行は思考を加速させることで、何かを得ようとしていた。
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