過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 10:02:52.48 ID:ooW4dNWwo
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とにかく、多少の不死身を見せたところでどうやら僕は信頼されていないようだ(むし
ろ嫌われているような気がする)忍野は、こういうのは信頼関係が大事だと言っていたか
ら、その点から鑑みるに、この状況はあまりいいとはいえないみたいだ。
まあ、仕方がない。
ここから先は個人の問題。
ひたぎちゃんの問題。
戯言遣いの、傍観者の知ったこっちゃない。
僕はただの案内人である。
金網の裂け目を通り、敷地内に入って、ビルディングの中に這入る。まだ夕方だけれど、
建物の中だというだけで、かなり薄暗い。長期間放置されっぱなしだった建物だ、足元が
かなりとっちらかっているので、うっかりしていたら躓きかねない。
――と、そこで気付く。
僕にとって、たとえば空き缶が落ちていても、それがただの空き缶だが、ひたぎちゃん
にしてみれば、十倍の質量をもった空き缶なのだ。ひたぎちゃんが警戒心をむき出しにし
ても、それは仕方がないのかもしれない。
「………こっちだよ」
入り口辺りで、所在なさげに踏みとどまっていたひたぎちゃんの、手首を握るようにし
て、僕は彼女を導いた。ひたぎちゃんはすこし顔を歪ませる。
………本当に嫌われてんだなあ、僕………
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