過去ログ - ひたぎ「これも、また、戯言よね」
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70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/07/30(土) 11:13:56.98 ID:ooW4dNWwo
何も変わらない、いや、むしろ悪くなったのかもしれないのだろうけれど。
「何も変わらないなんてことはないし、ましてや、悪くもなってないわ」
赤く泣き腫らした目で、僕に向かって。
「それに、決して無駄でもなかったのよ。少なくとも、大切な友達が一人、できたのだか
ら」
「……誰のことかな?」
「あなたのことよ」
とぼけてみせた僕に対して、照れもなく、それに、遠まわしにでもなく、堂々と――ひ
たぎちゃんは、胸を張った。
「ありがとう、阿良々木くん。私は、あなたにとても、感謝しているわ。今までのこと、
全部謝ります。図々しいかもしれないけれど、これからも仲良くしてくれたら、私、とて
も嬉しいわ」
ひたぎちゃんからのその不意打ちの笑顔は――彼女の笑顔にそっくりだった。
――純粋無垢で、天真爛漫な、あいつの笑顔に――
蟹を食べに行く約束は。
どうやら、冬を待つことになりそうだけれど。
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