過去ログ - 勇者「魔王が勇者一族に呪いを掛けたけど治った」
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563: ◆SHpOT25On.[saga]
2012/01/28(土) 22:32:22.78 ID:jd3clNu6o

勇者「しかし意外だったな。」

妹「なにが?」

勇者「多腕族が陶器の技術を持っていた事がだ。俺が村で出されたスープを飲んでいた時は木の器だった。」

妹「あぁ・・・おばさんは木が好きな人だから。家の道具はわざわざ自分で作ってる人なんだよ。」

勇者「そうなのか。そういえばお礼も言ってなかったな・・・。」

妹「そのうち会えると思うよ。昨日兄者に会ったとき聞いたけど村は驚くほど変わらないって言ってたし。」

勇者「そういえば昨日走り回っている時にちらりとだがお前の兄と父を見かけたよ。門番もいたな。兄はかなり大きい鉈を持っていた。」
迷子「・・・。」

妹「あぁ、蜘蛛鉈だな。この前あたしが喋ってた蜘蛛用の鉈だよ。兄貴のは特別で、重さがほかの蜘蛛鉈の倍あるやつなんだけどね。」

勇者「ほぉ・・・。持った事がないからどれだけ重いのかわからないがすごいな。俺が見た物は特別大きかったのか。」

妹「あ、でも長さは変わらないよ。変わってるのは厚みだけ。重みに耐えれる様に柄も太くなってるけど。」

勇者「なるほど、長くするとそれだけ負担が倍増するからな。攻撃力だけ高めたのか。」

妹「そうなんだよ。あたしの兄者はすごいぞ!村にはいろんな腕試しがあるんだけど、その中に丸太斬りってのがあってさ、」
妹「蜘蛛鉈用の腕試しなんだ。丸太を倒して3本重ねた物に蜘蛛鉈を振り下ろすんだけど、」
妹「普通なら一本の半分もいかないんだ。1本斬れるようになったら蜘蛛鉈を授けられて蜘蛛狩りに選ばれるんだけどさ、」
妹「兄者は3本斬っちゃったんだよ!蜘蛛鉈に亀裂が入っちゃうくらい威力があったんだからな。」

勇者「丸太を3本とは、すごいな。どれぐらいの太さの丸太だ?」

妹「あたし三人分くらいかな。ちなみに親父が2本でじいちゃんが若いころは2本半だってさ。」

勇者「ふむ、なかなかの太さだ。ちなみに妹はどのくらいだ?」

妹「え?」

勇者「あそこにある蜘蛛鉈はお前のだろう?今の話を聞けば蜘蛛鉈が貰うには最低でも一本は斬れなければいけない。」

妹「・・・。」

勇者「・・・・・・あー。あれはもしかして隠していたのか?」

妹「・・・うん。よく気づいたな。」

勇者「いや、悪かった。そうとは知らず。」

妹「いや・・・別にいいよ。あれはそのうち言わなきゃと思ってたし。」
妹「・・・あたしは蜘蛛鉈を振ったことが一回もないんだ。」

勇者「そうなのか?」

妹「うん・・・。まだ成人してないから、腕試しはできないんだ。」

勇者「ふむ、何歳で成人だ?」

妹「18。」

勇者「まだまだじゃないか。準長はなんでお前に?」

妹「わかんないよ。聞いても答えてくれなかったし。」

勇者「・・・・・・そうなのか。」

妹「・・・。」



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