過去ログ - 勇者「魔王が勇者一族に呪いを掛けたけど治った」
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590: ◆SHpOT25On.[saga]
2012/01/28(土) 22:47:59.87 ID:jd3clNu6o
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バガン!
ガコォン
妹「いけた!」

勇者「まった。俺が先に入る。」

スタスタスタ

勇者「・・・む。止まれ。」

青年「どうしたんだい?」
妹「な、なに?」

勇者「・・・死体がある。」

妹「え!?」

青年「・・・君は入らないほうがいいかな。」

妹「う、うん。わかった。」

勇者「・・・乾いているな。しかし保存状態がかなりいい。」

青年「・・・死因は餓死かな?」

勇者「・・・・・・いや、餓死なら糞尿が撒き散らされているはずだ。異臭もそこまでしない。心臓が止まったか、毒か・・・。」

勇者「自己消化すらしていないな。不思議な物だ。」

青年「自己消化?」

勇者「死体は放って置けば崩れてしまう。理由は複数あるがそういうものだ。それが起きていない。」

妹「お、お前ら冷静だな。」

青年「焦りは失敗の元さ。損傷が少ない死体だし、ちょっと悪いけど何が起こったか推察しやすいしね。」
勇者「慣れだな。死体は数回見ている。俺が前見たものはこれよりひどかった。」

妹「す、すごいな・・・。」

青年「まー崩れていないというのはこの木の所為かな?」
勇者「そうだろうな。死因はわからないが・・・。」

勇者「・・・よく見たら、今壊したのは扉のようにみえるな。木が生長してはまり込んでしまったのか。・・・ひっかき傷もなし。閉じ込められたわけではなさそうだ。」

青年「・・・中は本棚が少しだね。よく見たら食料もあるや。」

勇者「余っているから、死因は餓死ではないな。外見に傷がないから、出血多量というわけでもないか。」

青年「・・・マナー本ばかりだねぇ。」

勇者「全部持ち帰ってみるか。」

青年「いやいや、量が多すぎるよ。中身見て、少しだけにしておきなよ。」

勇者「・・・確かに現実的ではないな。うーむ・・・」

青年「・・・・・・やっぱり中身もマナー本だねぇ。どれだけ礼儀を重視していたんだろ。」

勇者「子供用敬語指南・・・・・・要約すると です と ます と ございます があれば何とかなると書いてあるな。」

青年「いくらなんでも適当だねそれ・・・。」

勇者「・・・・・・む、子供用冒険譚か。どれ・・・。」

青年「マナー本ははじこうかな。・・・。」

勇者「・・・・・・ふむ、動物と話し合える人物が、森の生き物の助けを借りて悪者をやっつける、といった本か。」
勇者「ほかにも児童書が多いな。情感多彩な族だったようだ。」

青年「こっちは・・・これも児童書だね。空に高く上がりすぎた若者は、神の怒りに触れ翼をもがれ地に叩き付けられた。」
青年「・・・たぶん、この島から出ようとした人の末路を本にしたんだろうねぇ。」

勇者「・・・ふむ、大半が役立ちそうにないな。全部が全部古いしな。」

青年「まだ下があるかもね。ちょっと探してみようかな。」

妹「な、なぁ。死体放って置くのか?」


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