過去ログ - 勇者「魔王が勇者一族に呪いを掛けたけど治った」
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592: ◆SHpOT25On.[saga]
2012/01/28(土) 22:49:01.68 ID:jd3clNu6o
勇者「マナー本と児童書・・・。確かに児童書のほうが新しいな。よく見れば材質も違う。」

本棚≪ガタガタガタ≫

勇者「・・・この中間くらいの古さの本はないな。」

青年「それがどうしたんだい?」

勇者「有翼族には製紙技術と製本技術が最近まであった事の証明になる。しかも娯楽に利用されるほどだ、かなり身近な存在であった事が推測できる。」

青年「なるほどね。・・・風の噂では装足族の村でも本を作る技術はないそうだよ。」

妹「多腕族の村にも本ってあったのかなぁ・・・。」

勇者(そして材質が違うということは製紙技術が一度失われた事を示唆している可能性がある。確定ではないから伝えても仕方がないが。)
勇者(他族の状況、本があるのにそれを作る技術がないという状況から考えても信憑性は0ではない。)

青年「しかしどうするんだい?もう手がかりはここしかないんだろう?他に部屋がないか探ってみるかい?」

妹「ここは村の図書館だったってだけかも。長の家がどこかにあるだろうし探してみてもいいんじゃない?」

勇者「・・・」
勇者(この児童書はどこかで作られていたはず。児童書毎に別の作者がいるようだ。)
勇者(だとしたら、作成場所は各自の家のはず。家はもう残っていない。)

勇者(民族の特徴として、情報媒体があるのならば、何かが起こった場合情報を残そうとするはず。歴史書、日記、またはそれに類するもの・・・。)
勇者(・・・あの死体、そういえばなぜここに?何かしらから隠れるつもりでここに来たのだろうか?)

勇者(ここは保存食置き場兼本置き場。明かりが必須の為憩いの場、とは言いがたいが本好きな人間ならば通っていておかしくはない。)

勇者(・・・死が避けられない状況であるのならば、自分の好きな場所で死にたい・・・・・・。)

勇者(突拍子がないな。隠れる、死に場所を選んだ。後は発狂してここへ意味もなく逃げ込んだ、くらいか。)
勇者(理由、理由・・・。紙に情報を記した場合、長く残すにはこういった場所におく必要がある。外では腐ってしまう。記したのなら残す事まで考えるはず・・・。)

勇者「うーむ・・・・・・。」

青年「何か思いついたかい?」
妹「考え事長いなお前。」

勇者「あの死体、何がしたかったのか、と考えていた。」

青年「・・・ふむ。」

妹「ここは行き止まりだし、逃げてきたんじゃないよね。」

青年「どうだろうね。何かに追われているのなら、こういう所に隠れてもおかしくないよ。」

青年「でも、人が死を思うとき、安らげる場所でせめて逝きたいと考えるのは不自然な事じゃない。死に場所を選んだ可能性もあるね。」

青年「まぁ、毒を掛けられて・・・逃げ込んだこの場所で死んでしまった、が一番しっくり来るかなぁ。」

勇者「・・・どこかに本が落ちていないか?」

妹「? なんで?」

勇者「もし、死に場所を選んだのなら、最後に読みたい本があったかもしれない。」
勇者「その本に何か書いてあるかも知れないと思ってな。」

青年「・・・さっき歩き回ったときには見つからなかったなぁ。」

妹「うーん。でも、ただ隠れていただけかもしれないのに。」キョロキョロ

青年「かもね。でも、可能性としては一応あるわけだし、探してみても損ではないよ。」

勇者(・・・そこまで広くない。もし落ちていたらすぐ見つかるはず。見つからないのは、何かが邪魔をしているから。)

勇者「・・・。」
スタスタ

ガラン!

勇者「あった。」

青年「壊した扉の下か。」
妹「よく気づいたな。」




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