過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める
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(大阪府)
[saga]
2011/07/31(日) 19:30:25.84 ID:7NkKhr4d0
「おい。ちょっと来い」
「なに?」
「いいから、リビングに来るんだ」
「わかったよ。リビングからわざわざ大声で呼ばなくてもいいじゃないか」
「よし、座れ」
「うん。で、なに? 改まってさ」
「父さん、再婚するから」
「えっ」
父親が再婚すると聞いたとき、僕は酷く驚いたものだった。
こんな堅物に嫁入りしようと思う女性は、どんな人格をしているんだろうと真剣に頭を悩ませた。
相手方と初めて対面した日に、僕は再婚を告げられたときよりも驚いた。
いつの間にか何らかのフィクションに混じってしまったのではないかと世界そのものを疑った。
「この人が、お前の母さんになる人だ」
「初めまし……」
「えええええええええええええっ!?」
自分の妻の挨拶を遮られた父親は、驚きのあまり椅子から転げ落ちた僕へと更なる追撃を加えた。拳骨。いつもこれだ。
「これから母親になる人に対して、なんたる態度だ」と父親は言った。
しかし、僕は拳骨の痛みくらいでは収まらない興奮と驚愕を持て余していて、落ち着くのにしばらく時間がかかった。
一時的に僕が落ち着いたのは十五分も経過した後だった。
驚きの原因をいくつか整理していくと、次第に落ち着くようだったので、僕は家族の輪から離れ、一人、縁側で狩り揃えられた庭を見ていた。
そうすることで、現状が染み込むように受け入れられるのだった。頭の中で、文字にして一つ一つ整理していく。
父親の再婚相手が土・日曜日以外に放送している天気予報のお姉さんだったこと。
端麗な容姿から国民的アイドルと言っても過言ではない。.
そのお姉さんの年齢は父親の半分にも達しておらず、僕よりも年下だったこと。
信じられないことだが、父親には自分の娘のような年齢の女性を虜にする魅力があるようだった。
天気予報のお姉さんがテレビで引退宣言をしたのは、約一ヶ月前のことだった。
まだ若いし、人気もあるのに勿体無い。と彼女を知るものは異口同音にそう言ったが、彼女は答えを一切変えなかった。
その理由を彼女は一切明かさなかったが、まさか、自分の父親と婚約・結婚することが原因だったとは、神ですらわかるものか。
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