過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める
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28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府)[saga]
2011/07/31(日) 20:29:18.13 ID:7NkKhr4d0
「おい、まだ仕事は見つからないのか?」

「うん」

「お前、何年間働いていないんだよ」

「……十年間くらい」

「さっさと働け!」

父親は僕を殴りつけた。あの固い拳が満足に外出もしない僕へと振るわれる。
痛みで蹲る僕の背中へと蹴りを入れると、冷蔵庫から新しい酒瓶を持って再びテレビの前へと戻っていく。

僕は、何も言わない。

父親が再婚相手を失ってから、僕も職を失った。なりたくもない、しがないサラリーマンだったためか、何の感情も抱かなかった。
母親になる予定だった人が刺されたその日の無断欠席は許されたのだが、それから、まったく仕事に身が入らなかった。
同僚や上司も気を遣ってくれていたのだが、そんな彼らの気遣いの容量を遥かに超えるほどに僕の態度は酷いものだったのだ。

父親も退職してしまったので収入源が無くなってしまったが、僕の家系は裕福であったため、
質素に暮らせば後何十年かは働かずに生活できるほどに貯えがあった。
僕に子どもが出来るという希望もないので、使いきらせてもらうことにした。

体の痛みが引いてきたので立ち上がり、箸を取り出してカップラーメンと一緒に持ち二階へと上がる。
ドアを開けると、夕陽が差し込む廊下から一転、パソコンの四角い明かりだけの世界になる。

パソコン前へと座り込むと、背中が少し痛んだ。
カップラーメンの蓋を開けて、箸で麺を口を運ぶ。

「……伸びてるや」


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