過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める
↓
1-
覧
板
20
32
:
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[saga]
2011/07/31(日) 21:01:40.44 ID:7NkKhr4d0
カップラーメンを食べ終えた僕は容器をそのままにして後ろへと寝転んだ。
パソコン前には布団が敷いてあり、毎晩、お気に入りのサイトを巡回してからすぐに眠れるのだ。
その状態から手を伸ばせば本棚へと届くので何の気なしに一冊の小説を取り出した。
創作意欲を刺激するだろうか、と、買うだけ買い、読んでいない書物が、僕の部屋にはいくつも存在していた。
いつもならそのまま棚に戻していたのだろうが、『娘を複製するために』というタイトルが目に入ってしまい、本を開くこととなった。
二時間ほどの時間をかけて、その小説を読み終えた。
パソコン明かりだけでは文字が読めないので、電気をつけて本を開くと、そのまま惹き込まれてしまった。
あらすじは、娘を失った母親が娘を生き返らそうとする物語で、硬い文体によって母親の苦悩や諦観する父親の内面が描かれていく。
『娘を生き返らせる』という母親の手段はエロティックなものもあり、その気ではない父親を乗り気にするために『おちんぽミルク飲みたいよお』と、
誘うシーンは、これまでのテーマの重さと相反して、シリアスな笑いを誘った。
『他人の娘を誘拐して自分の娘として育てる』『もう一度子どもを産む』などのあらゆる手段を試し、失敗する母親。
『まったく同じ外見で、まったく同じ内面でも、まったく同じ人間なんてありえないんだ』と、父親が母親を諭すシーンから、哲学的な話へとシフトしていく。
「面白かった」
率直な感想を呟き、腕を組んで色々と思考を練りまわす。
自分ならどういうふうに話を進めるか、この文章を漫画にするとすればどんな風に描くだろうか……。
小説を傍に置き、大学ノートを広げて鉛筆でネームを書く。
文章を読み、そのシーンを書き、文章を読み、そのシーンを書いていく。
夢中になっていたのか、気がつくと十五ページほどネームが出来上がっており、時間も深夜になっていた。
(とりあえず、今日は終わるか)
ネームを見直すと、かなりの面白さだった。
けれども、僕は自分が書いたものを見返すとき、毎回面白いと思っているのだから、第三者が読んでも面白いかどうかは判別できない。
その才能が欠落しているのかどうかすら、わからないのだ。編集者は、僕のどの部分を指したのだろか。それとも、深く考えなかった一言なんだろうか。
こうやって、やりたくもなかったサラリーマンから開放されて、一日中創作について考える生活をもう十年間も続けているのだ。
外界とのコミュニケーションをほとんど絶っているため、世間のことは何もわからなかったが、この人生は充実していると言えた。
(インタラクティブが、存在していないんだろうか)
しかし、今更どうやって世間へと復帰すれば良いんだろうか。無理に決まっている。
唯一の繋がりと言っても良い掲示板に、明日、ネームをアップしてみよう。そのとき得られる反応はきっと、僕の創作意欲を更に刺激してくれるだろう。
僕は、眠りに落ちていく。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
101Res/61.09 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1312103634/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice