過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める
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57: ◆LeqE6uV6e6Od[saga]
2011/08/01(月) 22:03:37.52 ID:VLVsNVVk0
「クソッ! クソッ! ふざけやがって! 素直に『上手ですね』って言えばいいんだ!」

スレッドの住民たちも僕の味方に決まってる。こんなやつ、ここから追い出してしまえばいいんだ。
人の利点を褒めることもできないくせに、適当な言葉を並べて人を否定するんじゃないぞ。

僕に賛同してくれる人がいるのは火を見るよりも明らかだったので、相手は何も言わずに消えていくだろう。
何かを言えばいうほど、僕らが袋叩きにしてやる。
論争において数は力だ。インターネットの掲示板ではさらにそれが顕著になる。けけけ、どうだ。

悔しさに顔を歪める相手のことを想像しながら、更新ボタンを押した。
あまりにも多く新着のレスポンスがあったため一瞬驚いたが、何のことは無い。どうせ僕の擁護だ。
画面に映る文字に視線を走らせる。

事実は、僕の予想を裏切った。

なんということだろう。僕の相手を挑発する書き込みを非難するレスポンスがたくさんついているじゃないか。
おかしいぞ。どういうことだ。ここでは僕は常連だから、優遇されるべきじゃないのか。どうして。
それも、「言われてみれば他人の小説を勝手に漫画するだなんて失礼極まりない」だなんてふざけたことを言っている。

「言われてみればってなんだよ」僕は悪態をつく。

自分一人で下した判断よりも他人が下した評価に乗っかるっていうのかよ。
主体性はどうしたんだ。お前はそうやっていつも他人に媚を売って生きているのか?
いや、この場合だと媚を売る相手は僕のほうじゃないのか!?

感情のままにまた書き込んだ。返ってくるのはやはり、僕を非難する内容。
やがてスレッドの勢いは上がっていき、状況ももはや四面楚歌になっていた。誰も、僕を擁護しやしない。
しまいにはいつもやり取りをしている、僕が贔屓にしている人までもが「今日はもうやめておいたほうが良いですよ」と書き込んでいたことだ。

『悔しかったら、オリジナルで何か書いてみろよ。
 いつものような手抜きで、どうせダメだと思うけど、なんて作品じゃなくて、本気で書き上げてみろよ。
 お前は本気で漫画家を目指していないんだ。ただ、夢を追っている自分に酔っているだけなんじゃないのか?
 毎日ここにいるんだから、働いてもいないんだろ? 無職が本気出すのを怖がっているだけなんじゃないのか?
 それとも、お前は漫画家を目指しているという、この掲示板でキャラクター作りをして、みんなに相手されたかったのか?』

何も考えられず、思い切り拳を布団の上に撃ち下ろした。
鈍い音が響き、拳に痛みが走る。衝撃が骨に沁みこんでいるのか、じんじんとする感覚が残っている。

勢いよく後ろに倒れこみ、無我夢中で寝返りをうった。
右、左、右、右、左。ごろん、どん、どんごろごろ。どうして、くそ、ふざけるなよ。


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