過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める
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◆LeqE6uV6e6Od
[saga]
2011/09/05(月) 00:13:06.97 ID:tq+/yoxA0
Act.2 ◇ 【たっているばしょ】
(あの野郎! しばらく学校に来なかったくせに! なにが、体調不良だ!)
友人が女の子と歩いていたことを目撃した日、俺は警察に通報するか真剣に悩んだ。
あの友人があんなにもかわいい女の子と手を繋いでいるだなんてことが、現実的にありえるとは思えなかったので、
そこには多くの金銭の介入か、はたまた何か弱みを握り脅迫して自分に恭順させているのではないか、と。
その日、俺は高校からまっすぐに家へと向かわず、新発売のゲームソフトを買いにゲームショップへ訪れた。
予定通り目的物を手に入れた俺は、パッケージ裏面に書かれたあらすじやゲームシステムを読みながら空想を広げていた。
空想が一段落つき、帰宅してからすぐに始めようと決意して前を向いた途端、現実が空想の全てを吹き飛ばした。
夕暮れ時の繁華街。そこにいた全ての人の視線の先は前方から歩いてくる二つの人影に集約されていた。
そう。友人と、その隣の女の子だ。
二人が手を繋いで歩いている様子は、男性であれば友人を羨ましがり、
女性であれば女の子のセンスを疑うだろう(いや、友人には友人なりのいいところはあるのだが)。
俺は友人に一生涯彼女ができないなんて思ってはいないし、本気でそんなに酷い顔立ちをしているとは思わない。
けれどもこんなにも俺が目の前の現実を疑い、二人の関係性を疑い、最終的に友人の犯罪行為にまで直結させられる理由は女の子の容姿にあった。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
そもそも、本当にこんな女の子が現実に存在するのか?
圧倒的なまでの不釣合いとでも表現すれば良いのだろうか。月と、スッポン、流れ星と、路傍の石……。
そして、その女の子の隣に誰が立っていても同等の評価を受けることは決してないだろう。
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