51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/21(日) 01:15:07.20 ID:4/DbxHvD0
二日後
未元氷菓と書かれた看板に微妙な懐かしさを感じながら、垣根は立っていた、店のドアに掛けられた札は「本日休業」だ、恐らく、自分が店を出てからそのままなのだろう
「ったく、ガキじゃあるまいし、仕事くらいちゃんとやれっての」
もちろん、本気でそう思っている訳ではないが、妙な気恥ずかしさを隠すために呟いた
ポケットからキーを取り出し、ロックを解除する、軽快なベルの音が誰もいない店内に響く
直後、ドタドタと階段をかけ降りる音が聞こえてくる、言うまでもなく、心理定規である
「…よう」
なにを言って良いかわからず、とりあえずいつものように軽く声を掛けてみた垣根が、押し倒されそうになる、抱きつかれたのだとわかったのは一瞬後のことだった
「もう、連絡もしないで、心配したじゃない」
少女の声は震えていた、僅かな嗚咽も聞こえてきた
「あなたに何かあったらって思って、そうしたら、どうしたらいいかわからなくなって」
温かい涙が首筋に当たり、じわりと心まで暖かくなるのが感じられた
「悪かったよ」
他にも言いたいことはあったが、まずは強く彼女を抱きしめ返した
今は、それだけで十分だと思った
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