19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/03(水) 02:31:29.17 ID:UwF03LhUo
ーーーぎしり。ふいにベッドが軋んで目が覚めた。
少しまどろんでいたらしい。いつの間にか日が傾いて、
オレンジ色の西日がレースカーテンの隙間から部屋の壁を頼りなく照らしていた。
背中越しに誰かの気配を感じた。妹か弟が様子を見に来たのだろう。
寝返りの要領で身体を捻って視線を上げた瞬間、私は言葉を失った。
「えへへ、来ちゃった」
「……」
「うわ、酷いクマ。頬もげっそりしちゃって……。駄目だよ、ご飯ちゃんと食べないと」
「……どうして」
思うよりも先に出た声は、乾いた喉に引っ掛かって酷くかすれてしまった。
彼女はベッドに両手をついて、私を覗き込むように見下ろした格好で
和ちゃんに逢いに来たんだよ、と山吹色のリボンを揺らして笑った。
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