過去ログ - ほむほむ「ホビャァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
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387:仔ほむ達とやさしいおねえさん[sage]
2011/08/10(水) 12:33:04.73 ID:QMIedvm50

チュン… チュンチュン


仔ほむ「…ホミューホミュー……ホ、ホミャッ?」パチ

薄暗い部屋の中…ブラインドの隙間から差し込む朝焼けの眩しさに、水槽の中で心地良さげな寝息を立てていた一匹の仔ほむが、仄暗い世界から徐々に覚醒し意識を深い眠りから引き上げていく。

仔ほむ「ホミュッ…ホミュホミュー!」ミンナオハヨウ!
仔ほむ2「ホ…ミャーアッ」アクビモラシ
仔ほむ3「ホミミャァー」アサカラゲンキダネ

朝の日課である挨拶を交わし終えた仔ほむ達は、寝ぼけ眼を擦りながら悠々と砂風呂を浴び始める。

ザッザッ コロコロ ホミュー ホミュミュン ソレソレー キャッキャッ// ホンミャアー

こうして、睡眠時に体表へ付着したダニやノミなどの外部寄生虫を悉く追い払ってしまうのだ。
綺麗好きなほむほむ達は野生でもこうしたボディケアを余念に取り組む傾向にある。


仔ほむ「ホミュ?」チラッ

ふと、一匹の仔ほむが箱庭の外へ視界を移すと…大好きなお姉さんが、水槽の目の前に立っていた。
自分が暮らす世界、その向こう側に。

仔ほむ「ホミュッホミューン♪」オハヨウ オネーサン




仔ほむの暮らす世界は狭い。
何しろ自分の知りうる景色は分厚いガラスに阻まれた長方形の箱庭内に限られるのだ。
だが幸か不幸か、彼女はそれを特に不満に思ったりはしなかった。此処で出される食事はとても美味しいし、自分には毎日一緒に遊んでいても飽きの来ない愉快な仲間達が沢山居る。

此処が仔ほむの知る全てであり理想郷なのだ。
外の世界に全く興味が無い、という訳でもないのだが…無理をしてまで出たいとは考えなかった。
いや、仮にそう思っていたとしてもこの箱庭からの脱出は叶わない。

彼女達が見知らぬ世界へと旅立つ為には……
此処を訪れる人間に気に入られ、買われて出て行く他に方法は無いのだから。




…既にお気づきの方も何名か居られるだろうか?そう、この仔ほむ達はほむほむを専門に取り扱うペットショップの商品なのだ。ほむほむ種は古来より家畜として人間に付き従い、食料や漢方、便利ツール、虐待用…と、多様性のある万能な生き物として重用されている。
最近ではハムスター等の小動物に成り代わるペット界の主戦力としても需要が高まっているようだ。

……………

水槽内の仔ほむ達が砂風呂を浴び終えると共にちりりりん、と小気味の良い鈴の音が聞こえてくる。
先程のお姉さんが餌を与えにやって来たのだ。

仔ほむs「「ホミュー!」」ゴハンノジカンダ!

鈴を合図にわらわらと集まってきた仔ほむの前に、恵方巻きがプリントされた大皿が置かれる。
その上にこんもりと盛られたドライフードの山を目掛けて仔ほむ達は我先にと飛びついていった。

仔ほむ5「ホミュッホミュッホミュッ」パクパクムシャムシャ
仔ほむ9「ホミュミュー」オイシイネ
仔ほむ11「ホミャァ!」ウン!
仔ほむ16「ホミュゥーーゥン…//」オナカイッパイ

瞬く間にそれを平らげた彼女らはとても幸せそうな表情で床に転がる。
仔ほむ達が口にしたペレット状の飼料はそこまで美味しい物なのだろうか? 答えは否。
ただ単に、それ以外の食べ物を口にする機会が無かっただけだ。

仔ほむs「「ホミュミュー//」」イツモアリガトウ

だが仔ほむ達は感謝していた。
自分達の世話をしてくれるやさしいお姉さんにいつか恩を返したいと、毎日ご飯を与えられる度に誓っているのだ。皆、お礼を言葉を欠かした事は一度も無い。

彼女らの鳴き声にお姉さんは笑顔で答え、他のペット達の世話をする為に足早と去って行く。
その姿をガラス越しにを見つめてみるも見えるのは仕事に追われ忙しそうな後姿ばかり。

声も視線も届かず、暖かい温もりに触れることも叶わない。
仔ほむ達は世界を隔てる分厚い壁を少しだけ、うらめしく思った。


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