過去ログ - エリー「私と5つの物語……///」
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2011/08/05(金) 20:56:44.97 ID:rkRztRK1o
 なおも瞳は近づき、そして私の唇の上のその果実にコーデリアさんの唇が触れました。 
  
 すべてが無音です。 
  
 私はこの身のすべてをコーデリアさんに捧げているようでした。 
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2011/08/05(金) 20:57:31.94 ID:rkRztRK1o
 ネロ「あーっ!」 
  
 ネロが私たちの方を向いて大きな声を上げました。 
  
 すっかりコーデリアさんに夢中でふたりのことを忘れてしまっていました。 
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2011/08/05(金) 20:58:22.43 ID:rkRztRK1o
 しかし、どうやらネロには先ほどの行為よりもラズベリーの方が大事な問題だったようです。 
  
 エリー「えっと、その……///」 
  
 ネロ「ずるいよ、ふたりとも!」 
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2011/08/05(金) 20:59:21.13 ID:rkRztRK1o
 ネロ「あっ! こらーっ!」 
  
 後ろでネロの叫び声が聞こえました。 
  
 コーデリアさんは私の手をしっかり握り、前を走っていきます。 
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2011/08/05(金) 21:14:52.50 ID:rkRztRK1o
 第3話 記憶 
  
  
 光は蝶のように舞い、私の頬をかすめました。 
  
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2011/08/05(金) 21:15:29.69 ID:rkRztRK1o
 エリー「夢……?」 
  
 五月のまぶしい光が白いカーテンを透かしてベッドに落ちてくる朝、そんな夢を見たのでした。 
  
 隣で眠るネロは静かに寝息をたてています。 
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2011/08/05(金) 21:15:57.31 ID:rkRztRK1o
 ネロは薄く目を開きベッドの上を見回しました。 
  
 ネロ「あれ、シャロとコーデリアは……?」 
  
 エリー「さあ……どこかなあ」 
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2011/08/05(金) 21:16:53.43 ID:rkRztRK1o
 野にはちょうどだいだい色のやぶかんぞうの花が咲く季節。 
  
 私は本を片手に、読書に向いた場所を探して歩いていました。 
  
 そのとき、そんな花の中をシャロが小動物のように、ぴょこぴょこと走っていくのが向こうに見えました。 
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2011/08/05(金) 21:17:46.69 ID:rkRztRK1o
 それはロマネスクの石造建築のような重々しさの中に、この場に似合わない異質な雰囲気を漂わせていました。 
  
 そっと中をのぞき込むとアーチは意外と長く、遠くに光が見えました。 
  
 私はなぜかこのアーチの向こうに不思議な世界が広がっていて、そこにシャロがいるような、そんな気がしたのでした。 
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2011/08/05(金) 21:18:54.36 ID:rkRztRK1o
 そこは小さな庭でした。まるでおとぎ話に出てくるような不思議な庭。 
  
 芝生には朝日がこぼれ、小さなてっせんの花が咲いています。 
  
 そして、広い空が見えます。 
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2011/08/05(金) 21:20:04.44 ID:rkRztRK1o
 栗色の布で装丁された古い本。私が子供の頃から繰り返し読んでいるものです。 
  
 最近はあまり読むことがなかったのですが、今日はなんだかこの本を読みたい気分だったのです。 
  
 シャロ、ここにきたのかな…… 
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